大雨情報で早期避難ってほんとにできる?早期避難のためのアイデア12選(後編) 江東5区は24時間前から避難!?

写真提供は松上京子(まつうえきょうこ)さん。アウトドア好きの車椅子ユーザー。田辺市議会議員。アイデア10で詳しくご紹介します!

先週アップした前編(アイデア1~5)はコチラからご覧ください。

■大雨情報で早期避難ってほんとにできる?早期避難のためのアイデア12選(前編)住所入力すれば危険をカルテにしてくれるサイトも!
http://www.risktaisaku.com/articles/-/7947

アイデア6 基本の基本の防災情報は、もちろんおさえる

いまさら言うまでもない雨雲レーダーアプリ。もう当然、何か入れていますよね?

それから、気象庁が6月20日に15時間先までの雨量の予報を出すようになりました。これはアプリではないですが、ホーム画面に登録しておくと、スマホでも読みやすくなります。朝みれば夜の予報までわかります。

今後の雨(降水短時間情報)(気象庁)https://www.jma.go.jp/jp/kaikotan/index.html

 
またこちらも鉄板です。国土交通省の「川の防災情報」

川の防災情報(国土交通省) https://www.river.go.jp/kawabou/ipTopGaikyo.do

豪雨や台風の時に、川を見に行ったり、屋根を修理したりはもうやめないと!危険かどうか判断するつもりで、流されてしまっているのですから。

国土交通省が把握した河川の氾濫情報がリアルタイムでわかるこのサイトを、「実物の川は見に行かないで!流されるから。それよりも川の防災情報を見て!」という合言葉で紹介しています。

上の画像は、7月6日19時の段階の近畿地方のもの。この段階では中国地方よりも近畿地方の河川の様子(京都の桂川など)の報道が多かったです。自分で情報を取りに行かないと全国放送では対応していない可能性がありますし、今回のような災害特集番組も少なかった現状ではなおさら必要だったと感じます。

また、中小河川について気象庁が出している「洪水警報の危険度分布」も必見です。中小河川は上流域で雨が降った時、短時間で急激な水位上昇が起きやすいという特徴があり、避難が間に合わないことがあります。こちらの情報は、その中小河川の特徴にあわせて、監視カメラの情報だけでなく、水位上昇の見込みなどの予測情報も合わせて危険度が発信されています。

洪水警報の危険度分布図(気象庁) http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_flood.html

 この洪水警報の危険度分布だけではなく、気象庁は他にも「土砂災害警戒メッシュ判定」、「大雨警報(浸水害)の危険度分布」、「水位周辺河川の氾濫危険情報」も出しています。

すごーく有益な情報を出しているのですが、種類がいろいろあって、そしてそれぞれの名前が難しくて、自分がどれを使えばいいのわからなくなるのがちょっと残念な気も・・。気象庁は、一応、こんな風にまとめています。

出典:「大雨警報・洪水警報の危険度分布~気象災害から命を守るために」(気象庁)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kikenndobunnpu/kikenndobunnpu201703.pdf

例えば、

家の裏が急傾斜地になっているAさん(76歳)

土砂災害警戒判定メッシュ情報が赤になったとき、近くの指定避難所である公民館に避難することにしている

●利用する気象情報等 
 大雨警報(土砂災害)
 土砂災害警戒情報 https://www.jma.go.jp/jp/dosha/
 土砂災害判定メッシュ情報
 https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/index.html

家の裏が急傾斜地のAさん76歳、優秀です!3つの気象情報を使いこなし、土砂災害警戒判定メッシュ情報が赤になったらと決めているのですね。こんな76歳になりたいです。

家の裏が急傾斜の方は、Aさんに習って、この3つの情報を使いこなしていただきたいです。

こちらは18歳のCさん。Cさんは、中小河川沿いのマンションにお住まいです。

中小河川沿いのマンションにお住まいのCさん

雨が強くなくても、洪水警報の危険度分布が薄い紫になったとき、または氾濫危険情報が発表されたとき、3階の友達の家に避難することにしている

●利用する気象情報
洪水情報 洪水警報の危険度分布 水位周辺河川の氾濫危険情報

18歳のCさんも負けずに優秀です!私が18歳の時、ここまで考えていたかな?と思うと、あやしいですが、こんな子に育ってくれれば災害時も自分で判断して避難できそうで心強いです。

そうは言っても、気象庁が想定している人物像はハードルが高めかも・・とは思います。でも、危険を避けるにはこのくらいの人物像が求められているという現状もまた知らなければと思います。

アイデア7 「避難準備・高齢者等避難開始」の段階で高齢者等ではなくとも逃げると決める

では、情報を得ていれば避難は可能だったのでしょうか?今回大きな被害のあった岡山県倉敷市真備町。倉敷市の避難情報を見てみましょう。

6日 11時30分 避難準備・高齢者等避難開始
6日、22時 全域の避難勧告
6日 22時45分 避難指示 小田川の南側
7日 1時30分 避難指示 小田川北側

このあとすぐ、国土交通省は堤防の決壊を確認します。

7日 1時34分小田川との合流地点近くの高馬川で堤防の決壊を確認。 
7日 6時52分 小田川の堤防決壊確認

「避難準備・高齢者等避難開始」の段階で避難できていれば決壊まで10時間ありました。でも、避難勧告から決壊までは、3時間半、避難指示から決壊は、小田川北側は4分です。

避難指示があってからでは、避難を始めるには遅いのです。ちなみにさきほど紹介した「家の裏が急傾斜地のAさん76歳」は、土砂災害警戒判定メッシュ情報が「赤」になったら避難と決めていましたね。「赤」というのは、「避難準備・高齢者等避難開始」情報の段階です。

土砂災害に関する防災気象情報を活用した避難行動について(気象庁) http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amechuui/amechuui_p8-1.html

 この、「避難準備」という名前から、「非常持ち出し袋の内容を検討して、もっと危険がせまったら逃げればいい。ゆっくり自宅待機の時間」と思っている方が多いように思えます。

しかし、「避難準備・高齢者等避難開始は、高齢者等については避難を開始してほしい時間なのです。それだけでなく、全員が「避難開始」してもいいのではないかと思うのです。

というのも、避難勧告は、すでに「非常に危険」なのです。勧めるという「勧」の字があるからか、お勧めされているだけかなと思いがちです。でも、すでに非常に危険な状態なんですよ。

少なくとも、この薄い紫で避難すべきというのが気象庁の見解です。危険でもないのに逃げられないと思って「避難指示」まで待とうだなんて思っていませんか?

濃い紫になった「避難指示」では、「極めて危険」なので、上記の気象庁の表によると「避難を完了」すべき情報なのです。指示されて避難開始しましょうという情報じゃないんですよ!

「なんで避難を勧告したのに逃げてないの?もう指示するしか方法がないけど、逃げる場所はほとんどないから、せめて安全な場所に行って!」とでもいうべき、いわばちゃんと逃げない困った人に出さざるを得ない情報が「避難指示」です。ここ、間違いやすい所だと思っています。ご家族や職場で再度確認してほしいです。

さらに、大雨特別警報に至っては、気象庁は「あくまで最後通告であり、大雨警報や土砂災害警戒情報が出された時点で自治体は避難情報を出して欲しい」と言っています。

「最後通告」!その重みをかみしめなければ、今後の被害は防げないと思います。

高齢者や乳幼児がいるご家庭では、早めの避難が重要です。「避難準備・高齢者等避難開始」で避難したほうがいいと今一度、心に決めていただければと思います。そうでない方も、早く逃げてもいいのです。

防災は我慢大会ではありません。早く避難すると、救助する方の命も守ることができます。もっと「避難準備・高齢者等避難開始」で動ける人が増えればと思います。

アイデア8 危険でなくても逃げる コミュニティで率先避難者になる

避難のお話をしていて、多いなと思うのは、避難情報がでていても、「危険だと思わなかった」「まだ大丈夫だと思った」「危ないと思ったけど、隣は逃げていなかったから」などの声です。

息子が親を説得してもなかなか避難行動を開始してもらえず、どんどんあたりは水没していく浸水被害時の映像も話題にもなっていましたね。

■「逃げなくても大丈夫」避難拒む父に危機が(日テレNEWS24)
http://www.news24.jp/articles/2018/07/18/07398986.html

「避難」とか「逃げる」ということは、弱さのように思えて、躊躇(ちゅうちょ)があったりするようです。

そして、山の遭難の記事でも書きましたが、目の前にある危険に目をつぶり都合のよい事実だけしか見えなくなってしまう、避難の決断を今しなければならないのに判断を先延ばしにしてしまう、「正常性バイアス」に陥るのが人というものなのです。災害時の判断は冷静なつもりでも冷静ではないのです。

■山の遭難で最も多い「道迷い」。親子で知ってほしい「山で迷ったときの鉄則」とは?歩きやすそうでも沢に降りちゃ絶対ダメ!
http://www.risktaisaku.com/articles/-/6088

むしろ、危険かどうかの判断は、危機であればあるほどできない可能性が高いと想定すべきではないでしょうか?

正常性バイアスで、できなくなる可能性が高い「危険かどうかの判断」を回避するため、「危険ではなくても他の人の避難を促すために逃げる」とあらかじめ行動方針を決めておいてはいかがでしょうか?

そうすれば、この危険を認識できなくなる正常性バイアスから免れる事ができます。津波避難では率先避難者が勧められています。豪雨も同じだと考えませんか?

東京臨海広域防災公園「そなエリア東京」の展示資料には、東日本大震災で1人で避難して無事だった83歳になる祖母の話があります(あんどうりす撮影)

以下、赤プルさんもこんな記事を書かれていました!

■逃げ遅れないために率先避難者になろう!豪雨被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
http://www.risktaisaku.com/articles/-/7599

また、こちらは、内閣府が検討している江東5区の避難計画です。名前も仰々しいです。「立ち退き避難」!

名前だけでなく、避難時間も衝撃的です。24時間前に避難を開始することが検討されていることをご存知でしょうか?24時間前、つまり1日前です。もしかするとまだ雨も降ってないかもしれません。でも、0m地帯と呼ばれる低い土地が多く、人口が多いので、早くから避難を開始しないと、多くの人が避難しきれないことが想定されています。

洪水・高潮氾濫からの大規模・広域避難に関する 基本的な考え方と定量的な算出方法について (実地検証に向けた提案) 参考資料 ~江東5区における検討~(内閣府) http://www.bousai.go.jp/fusuigai/kozuiworking/pdf/dai4kai/siryo5_3.pdf

 危険になってから逃げたのでは、間にあわない時代になっているとわかっていただけるのではないでしょうか?都市部でも24時間前から、危なくなくても避難しなければいけないのです。地方で、早めに避難しても全く恥ずかしいことではないと、イメージの転換をお願いしたいです。

兵庫県立大学防災教育研究センター長の室崎益輝教授によると、コミュニティで声をかけあって避難しあう「コミュニティ避難」を勧められています。子育て世代の方も、今回の豪雨で避難するとき、声をかけあったとお聞きしています。ひとりだと不安ですものね。みんなで早めに避難しようと決めておくのはいいですよね。

過去に被災された地域の方が経験を生かし、声かけによって明るいうちに避難して助かった事例も報告されています。明るく、雨もひどくなければ車の使用も可能です。体が不自由な方の避難の方法も多数選べます。

避難方法、避難場所をあらかじめ地域で考えておいてこそ、災害時、実効できる可能性が高いです。以下は、5日の段階で声かけをして避難されたので、大きな被害はあったものの、人的被害はなかった地域の記事です。

光兼集落で長年建築業を営む山口正義さん(67)によると、地区では83年の台風襲来時、電話が不通になったため、アマチュア無線を駆使して住民同士で密に連絡を取り合い、被害の確認に当たった。今回は5日から携帯電話で「雨が強くなりそうだから明るいうちに避難しよう」などと声を掛け合ったという。
山口さんは「けが人もいなかったのは幸い。地域の絆で助かった」と話した。

■過去の災害教訓に 早めの避難で命守る
三好・河内地区 人的被害なし(徳島新聞)
http://www.topics.or.jp/articles/-/71793

他方で、我慢大会が存在したということもお聞きしています。大雨特別警報がでている地域の消防団で、消防団員は自宅待機の指示。裏山が崩れそうになったので避難したら、なぜ逃げたのかと後に非難されたという話も。

このような地域では、人が死ななければ対策を取れない事になってしまいます。津波対策同様、空振りを恐れずコミュニティで避難を考える地域が増えればと思います。それは逃げではなく、戦略的な攻めなのではないでしょうか?

アイデア9 絵本で気象を学ぶ!気象教室に出かけてみる。有名人に避難をすすめてもらう

重たい話題が続いたので、楽しいアイデアも紹介します。気象情報は毎日報道されているので、知ってるつもりになっているけど、実は理解していない部分もあるかもしれません。

でも、恥ずかしくていまさら基本を人に聞きにくいですよね。そんな時にオススメなのが、お子様、お孫さん、親戚の子ども、だれでもいいので、言葉は悪いですが、こどもをダシにして、一緒に学んでしまおうというアイデアです。子育て世代の親は、実は、最新気象情報は入手しやすかったりするのです。なぜって、こどもが学んできますからね!ならば、こどもと一緒に学んでしまえばもっといいのです。

サニーエンジェルス http://sunny-angels.jp/

こちらは女性気象予報士による親子の気象教室などを実施しているサニーエンジェルスさん。ぺットボトルで雲を作ったり、避難をすべきお天気の状態を大きな声で言ってみたり、楽しく気象を教えてくださいます!お近くで実施されたら是非参加してみてください!実験ありで基本をしっかり学べる教室です。学校PTAの家庭教育学級にも来てくださいますよ!

また、先に紹介した雲研究者.気象庁気象研究所研究官 荒木健太郎さんが7月20日に「せきらんうんのいっしょう」という絵本を出版されました。
 

平成30年7月豪雨をはじめ、集中豪雨は積乱雲によって引き起こされます。いまさら聞けない積乱雲が、絵本になって、ひらがながいっぱいで書いています。こどもたちへ読み聞かせしながら自分が学んでしまう。大人のプライドも損なわないので、ここ、重要です!

ところで、雲や空を見て天気の変化を予想する「観天望気」ってご存知ですか?荒木さんはその一歩先に進んだ、「感天望気」を推奨されています。感の字が違いますね。

雲の心を感じることで、天気の変化も予想するというものです。雲は一方では災害をもたらす要因にもなります。でも、雲のことを知って好きになり、愛でることまでできれば、身を守るスキルは格段に高まります。

雲愛入門できる以下の本を、故郷の高齢になった親にさりげなくプレゼントすることもオススメです。雲の写真を眺めてくれたら、そこから、災害時の早期避難の話につながりますし、著者をツイッターでフォローしてもらう話にも繋がります。

そうすると、こどもが親に「早く避難して」と説得するより、効果があるようにも思えます!気象の有名人や芸能人の方の避難のすすめはやっぱり効果が絶大ですよね♪

『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)

『雲を愛する技術』(光文社新書)

アイデア10 避難しやすい格好と避難しても安心できる場所

これは、過去記事をお読みください。アウトドアウエアは、雨の時に大活躍です。濡れるのは不快だと思うと、避難が遅れます。濡れない、蒸れない機能がある衣類をいつも使えていれば、災害時も快適に避難できます。車椅子用アウトドアレインウエアだってあるんです。

写真提供:松上京子(まつうえきょうこ)さん。田辺市議会議員。 「車椅子から青空がみえる」(小学館)著者。 アウトドア好きの車椅子ユーザー。今もカヌーを楽しむ。車椅子ユーザーにも、自然の中や日常生活の中でアクティブに活動して欲しいという思いで、アウトドアメーカーの商品開発にも協力されています。

これだけ毎年台風や豪雨があるのに、いまだにレインウエアも準備せずに、その場にあるもので作りましょうとか、意味がわかりません。土砂災害が多い地域、浸水が起こる地域は、運動靴での避難が○とか言っている場合ではありません。早期避難の検討と専用のウォーターシューズや、被災後の安全靴など、あらかじめ装備しないといけないのではないでしょうか?

■災害時も役立つレインウェアを普段使いに「寝るな、寝ると死ぬぞ!」は間違い?
http://www.risktaisaku.com/articles/-/1839

また、避難所が大変そうだから逃げなかったという方が多いのです。避難所をもっとすごしやすく変えていきましょう! 避難所になる学校に普段からクーラーなどの空調施設や非常電源もないと大変になるのは、明らかです。

女性もこどもも、性別も年齢も関係なく、海外に由来がある人も、障がいがあっても、誰もがすごしやすい避難所や避難場所について、多くの人が関心を持って対策をとらなければ、避難しないしできない人が多くでてきてしまいます。

■これが仮設住宅?!普通に住みたくなるレベル!(前編)
おしゃれなイタリアの仮設住宅と災害関連死のない避難所
http://www.risktaisaku.com/articles/-/6213

ホテル利用や広域避難も考えられています。さらに、自助として、あらかじめ調べておいて、被災しない地域に旅行に行ってしまうというのもありかもしれません。

被災地に多くの人が残っている方が、救助が大変になり2次災害も起こるのです。高齢の親を早めに旅行に連れ出すために、普段から避難資金を貯めたり旅行に慣れておくのもいいかもしれません!もちろん、アイデアの1つにすぎず、これだけで解決するわけではないですけど・・

アイデア11 学校や職場で早めのお休みを

そうはいっても、学校や職場が早めに休みにならなければ、避難準備・高齢者等避難開始の段階で避難できるわけがありません。

避難したいけど、学校があった、会社が休みじゃなかったという声もお聞きしています。

中には、「大雨警報はでていたけど、特別警報じゃないからという理由で登校になった。だから親が無理して車で学校に送って行った。なのに、その後、休校が決まったため、こどもたちが大雨の中歩いて帰らされた」というお話も聞きました。

地震では、親や指定した人が引き取るまで、学校待機が基本です。豪雨に対しては混乱が見られるように思いました。災害対策が進んでいる学校では、保護者が危険と判断して登校しない場合は欠席扱いにしないという措置をあらかじめとっている所もあります。

この問題については、今後単独で記事を書こうと思っているので、しばらくお待ちください・・。

アイデア12 最後は引っ越し?!

ここまでいろいろ書きました。それでも、早期避難はしたくない・・・そう思う方は、これしか選択肢がなくなります。お引越し。

ただ、すべての災害に安全な場所はないのです。引っ越しすることで最も危険な災害を避ける・・そんな感じでしょうか。慣れ親しんだ地域を離れるのは寂しいですよね。

(画像提供:あんどうりす)

こちらは和歌山県田辺市内之浦の干潟公園の写真です。干潟近くに山祇神社があり、1854年の安政津波の碑と1946年昭和南海地震の津波潮位標が、建てられています。

この付近にあった集落は、干潟公園整備を機に1990年の段階で高台移転しました。すべての集落が移転されたわけではないですが、1990年代に、使える公共事業を利用して高台移転が実行されていたというのは慧眼だなと思います。

今後、過疎や空き家問題もあります。これから起こる災害を見越して、災害が避けられない、高齢化によってコミュニティによる避難も困難という地域は、事前復興として、みなで移転するという事を真剣に考えなければいけない時期なのかもしれません。(事前復興についての記事についてもまた詳しく書きたいです)

以上、アイデア12選、いかがでしたでしょうか?

これだけですべてが解決する訳ではありません。でも、少なくとも、これだけ真剣に考えぬいてご家族や職場で話あっているでしょうか?

豪雨災害は、これからも、地震より多い頻度で起こります。問題を先延ばしせず、どうやって次の災害時に早期に避難するか、今、決めていただくきっかけになればと思います。

(了)

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