金属行人(7月27日付)

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 西日本豪雨の災害で台風や集中豪雨による地盤崩落や土石流被害への緊急対策が改めて問われている。「国土強靭化」政策でかつてより対策は進んでいるが、それでも工事予算に限りがあり、優先順位により工事で後手に回ったところが被災するケースが少なくない。予算を増やして工事を急がなくては、人命や国土など国民の財産が失われていく▼政府などの調査では土石流防止が必要な危険渓流は全国180万カ所。整備は10%程度という。また斜面の地下を乱脈に流れる伏流水による深層崩壊の箇所も2万カ所以上という。国交省は昨年12月、「中小河川緊急治水対策プロジェクト」を発令し、流木や岩石を食い止めて水だけを下流に流す透過型堰堤の設置を促進する方針を決めた。「スリットダム」だ。深層崩壊を回避するために伏流水を鋼製井戸に集める「集水井」の設置も増えていく▼ただ業界関係者に聞くと、自治体担当者がこうした防災減災商品・工法を知らないケースが多いという。「昔は我々が驚くほど防災減災工法に詳しい担当者がいたが、今は不勉強な人が多いような気がする」▼鉄鋼業界が率先して「防災・減災ソリューション営業」を強化しないと人命や国土は守れないのかもしれない。