米、来月にもイラン核施設攻撃か 豪など同盟国も協力

By 太田清

イランのロウハニ大統領、トランプ米大統領(ともにAP=共同)

 トランプ米政権がイラン核合意離脱を表明、8月6日に制裁の一部を再発動するのを前に両国の非難合戦が激しさを増している中、オーストラリア放送協会(ABC)は27日までに、トランプ大統領がイランの核関連施設攻撃準備を進め、早ければ来月にも攻撃に踏み切る可能性があると報じた。米国の同盟国であるオーストラリア政府筋の話として伝えた。 

 同国政府筋は、オーストラリア政府が英国の情報機関とともに、イラン国内の攻撃対象を選定することで米国に協力すると言明。一方で、情報活動と「攻撃に直接参加することは違う」と述べ、米国が攻撃に踏み切った場合でも、オーストラリアが直接関与することには消極姿勢を見せた。 

 オーストラリアは米国、英国、カナダ、ニュージーランドとともに、世界中の通信や信号傍受の相互利用協定を結んでおり、オーストラリア北部特別地域にある情報収集施設がイランの核関連施設の探知などで重要な役割を担うことになるという。 

 一方でABCは、オーストラリア政府内で米国の軍事行動の可能性に対する深刻な懸念があるものの、イラン攻撃に伴う中東情勢の緊迫化を考えれば、攻撃の警告は「脅し」にすぎないととる考えもあると指摘した。 

 米国のイラン核合意離脱後、欧米との対話路線を掲げてきたイランの穏健派ロウハニ政権は対米批判を強めており、ロウハニ大統領は22日の演説で「イランとの戦争はあらゆる戦争の源となることを敵はよく理解しなければならない」とけん制。これに対し、トランプ大統領はツイッターで「米国を決して脅すな」「気を付けろ」と警告していた。 (共同通信=太田清)

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