平和大使派遣委 ハワイの高校生招待 長崎、広島で核廃絶の思い共有

 市民団体「高校生平和大使派遣委員会」などは27日、長崎原爆の日に合わせて米ハワイの高校生2人を招待すると発表した。8月6~12日の日程で長崎と広島を訪れ、被爆の実相や核廃絶の運動を知ってもらう。核保有国である米国の若者を被爆地に招くのは、派遣委員会として初めて。

 今年2月に平和大使としてハワイに派遣された安野伊万里(やすのいまり)さん(当時長崎東高3年)、野瀬舞伽さん(当時活水高3年)がイオラニ高校で交流した縁がある。この2人や、核廃絶の署名を集める高校生1万人署名活動のメンバーが、街頭募金で招待する資金の一部を集めた。
 招待するのはイオラニ高校の2人。長崎原爆資料館を訪れるほか、署名活動に取り組む高校生とともに被爆体験講話を聞いたり、原爆関連の催しに参加したりする。11日に広島に移り、平和関連施設を見学する。
 長崎市役所で派遣委員会の平野伸人共同代表(71)と署名活動に取り組む中高生の計4人が会見。活水高3年の中村涼香さん(18)は「米国の高校生とは核兵器の価値観が違うと思う。原爆被害を目で見てもらい、被爆者の存在に触れて核廃絶の思いを共有していきたい」と話した。

会見する平野さん(右)と中村さん。中央のカラー写真にはハワイ滞在中の野瀬さん(左端)と安野さん(右端)が写る=長崎市役所

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