武藤はプレミアでやれるのか?現地はこう見てる!「全監督が必要とする…」

日本代表FW武藤嘉紀の移籍についてニューカッスルは28日、選手およびクラブ間で大筋合意に達したことを発表した。英国の就労ビザが下り次第移籍は正式決定となる。

昨季プレミアリーグに復帰したマグパイズは10位で残留。今夏はスイス代表DFファビアン・シェア、韓国代表MFキ・ソンヨンらを補強している。

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その一方、セルビア代表FWアレクサンダル・ミトロヴィッチの去就が微妙で、新たな“9番”としてベネズエラ代表FWサロモン・ロンドンの獲得を狙っているとも伝えられている。

そんななかでの武藤獲得を現地はどう見ているのか。地元紙『Evening Chronicle』の報じ方をザッとまとめてみる。

『Evening Chronicle』

「スピーディな武藤は、“9番”の解決策ではない。ラファ・ベニテスの攻撃陣におけるもうひとつの武器のように思える。武藤はニューカッスルにオプションを提供できる」

「彼はセント・ジェームズ・パークに何をもたらすのか?今ワールドカップに手がかりはほとんどなかった。

26歳の彼はロシアでは1試合にしか先発しなかったのだ。だが、昨季ブンデスリーガのマインツではレギュラーだった。

残念ながら、950万ポンド(13億円)というのは第一人者(トッププレイヤー)の移籍金ではない。

とはいえ、掘り出し物になることもある。そして、ラファ・ベニテスは武藤がそうなれると確信している。

彼の主な特徴はスピードであり、ミトロヴィッチよりはドワイト・ゲイルの代役になるように見える。

177cmの武藤は間違いなくターゲットマンではない。ホセルのようなフィジカルも、ミトロヴィッチがもたらした空中戦の脅威もない。

もし、武藤の獲得でベニテスのストライカー探しが終わるとすれば驚きだ。

武藤加入はWBAのサロモン・ロンドンの話を鎮静化されるものではない。ゲイルはWBAへのトレードに合意しているが、移籍までには長引くかもしれない」

『Evening Chronicle』

「注目すべきは、武藤のW杯先発試合は日本代表が4-4-2にした時であったこと。

そして、4年半を過ごしたマインツでは、3バックの際に大柄なロビン・クアイソンやエミル・ベアグリーンらとともにプレーしたこともある。

ベニテスは4-4-2が得意ではないが、昨季はこのシステムに浮気をしたこともあった。

そして、切り札として使われた際のアジョセ・ペレスは、セカンドストライカーになることを苦にしなかった。

武藤はマインツで3バックも経験済み。だが、強豪対策のために3-5-2よりも5-4-1になる傾向があった。

彼は最前線のトップができないというわけではない。昨季は4-2-3-1の1トップでシーズンをスタートさせている。

これはベニテスが好むフォーメーションであり、4-3-3にもなりうる。そして、武藤は左ウィングとしてもプレー可能だ。

(大学で)経済学の学位を収めたことは、彼が賢い男だということを示している。知的さとフットボールにおけるインテリジェンスは必ずしも同じではないが。

ブンデスリーガからやってくる彼は、ハイスタンダードなフットボールには慣れている。フィジカル的な挑戦にはなるだろう」

『Evening Chronicle』

ベニテスのウィング好きを考えるなら、CFのファーストチョイスには、(武藤ではなく)クロスに飛び込むためのより大きな選手を探すほうが自然かもしれない。

そして、武藤のスピードは疲労した相手DFを引き延ばすために使い、途中投入で状況打破するために彼の融通性を使うほうが(自然)。

アジア出身のもうひとりの知的でスピーディなFWソン・フンミンは、サクセスストリーを叶えるためにひっそりとプレミアリーグに足を踏み入れた。

もし武藤がソンの半分ほどの効果を発揮できれば、移籍金は半額以下なので、ベニテスは素晴らしいビジネスをしたことになるだろう。

とはいえ、スカッドビルディングは安定したストライカーたちを持つことと言える。

ホセルが微妙で、ミトロヴィッチはフィットしておらず、ゲイルは2部で仕事をするために買われた選手だと感じられ始めた。

そのことを考えれば、武藤は全てのプレミアリーグの監督たちが必要としている攻撃面でのエクストラオプションに思える。終盤(に使われるの)ではなく。

もし武藤獲得で新9番探しが終わるならば、ベニテスは不機嫌になりうる。

だが、異なるキャラクターのストライカーの組み合わせという意味では、うまく資金を使ったと証明されうるかもしれない」

チームが必要としている9番タイプではないものの、確かなオプションになりうるという評価のようだ。

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