【台風12号】小田原で冠水 救助のパトカーも立ち往生

 神奈川県内は台風12号が接近した28日夜を中心に激しい風雨となった。小田原市内では相模湾沿いを走る国道135号が冠水、搬送中の救急車や救助に向かった県警小田原署のパトカーなど複数の車両が巻き込まれた。また、県の集計では、転倒するなどした2人が軽傷となった。

 県警によると午後7時5分ごろ、小田原市江之浦付近の国道135号で、トンネル内が冠水したなどと110番があった。高波の影響とみられ、乗用車数台を含む複数の車両が動けなくなった。県警や消防が救助に当たったが、パトカーも浸水したという。

 また県などによると、三浦市で歩行中の60代男性が転倒し軽傷。平塚市では、20代の女性が強風の影響で自宅のドアに手を挟み、軽傷を負った。

 県の午後8時までの集計によると、横浜、川崎、相模原、厚木など19市町村が計約52万4600世帯の約120万7900人に避難準備・高齢者等避難開始を発表し、早めの避難行動を呼び掛けた。山北町は土砂崩れの危険性が高い一部地域に避難勧告を発令した。

 西湘バイパスは高波の恐れがあるとして全線が通行止めに。東京湾フェリーは欠航した。横浜、平塚、秦野市内などで台風の影響とみられる停電があった。

台風12号の接近に伴って海も荒れ、“象の鼻”にたたきつける波=横浜市中区の象の鼻パーク

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