軽トラ朝市、資金難で閉店 大型店台頭、出店者も減る 菊池市

家族連れらでにぎわう「湯ったり菊池の軽トラ朝市」。22日に最終日を迎えた=菊池市

 熊本県菊池市隈府の中心市街地活性化につなげようと、2009年から月1回開いていた「湯ったり菊池の軽トラ朝市」が22日に終了した。運営母体の市商店会連合会が、会員減少で資金不足に陥ったことが背景にある。突然の事態に、出店者は8月以降も存続できないか模索している。

 連合会や市商工会でつくる実行委員会が、農商工連携や世代間交流も目的に、毎月第4日曜に開催。立町から迎町までの市道約800メートルを歩行者天国にし、午前7時半~午前11時半、出店者が野菜や果物、加工品などを軽トラで持ち込んで販売してきた。

 当初は約70店が参加していたが、徐々に減少し近年は40店ほどで推移。約半数を玉名市、山鹿市、大津町などの市外事業者が占めていた。出店料はおおむね1回2千円。

 実行委員長を務めてきた、連合会前会長の柁原賢一さん(69)によると、連合会は02年、中心市街地の7商店会で発足。約120店だった会員数は、高齢化と後継者不足で約70店まで減少、商店会も半分が解散・休止した。

 朝市の年間予算は、仮設トイレ設置、道路使用、交通整理の人件費などで計約300万円。半分を市補助で賄い、出店料と連合会の支出が各50万円程度、残りを市商工会が負担してきた。連合会は、主な収入源である会費収入(1店当たり年間3600円)が減少したため、資産を取り崩して費用を捻出していたという。

 柁原さんは「会員減少には、大型量販店やショッピングモールの台頭も大きく影響した。昨年から朝市の中止は避けられないとの意見が出ていた」と明かす。

 ただ、中止の方針が出店者に告げられたのは今年6月下旬。8年前から参加してきた杉野商店代表の杉野慈さん(62)=大津町=は「詳しい説明はなかった」といぶかる。農産物などを販売する原清子さん(69)=菊池市七城町=も「顔なじみのお客も多かったのに…」と残念そう。

 樹木生産の井上致伸さん(33)=同市旭志=は「交流の場にもなっていたので、採算に合わないが初回から参加してきた。10年続いたイベントがぱたっとなくなるのは、市の活力が下火になっていることを象徴してしまう」と懸念する。これまでの会場近くの空き地で衣替えして存続できないか、ほかの出店者と模索している。

 柁原さんは「中止の方針や財政事情をもっと早く説明すべきだった。ノウハウや反省点を出店者と共有するなどして、存続に協力したい」としている。(高宗亮輔)

(2018年7月29日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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