首位快走するトヨタのタナク「それほど激しく攻めてはいなかった」/WRC第8戦フィンランド デイ3後コメント

 WRC世界ラリー選手権は7月28日、第8戦フィンランドのSS12〜19が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が首位をキープした。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTはこの日行われた全SSでトップタイムを奪う圧倒的な速さをみせた。

■Mスポーツ・フォード

●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合7番手

「パフォーマンスの面では、僕らが望んでいた週末とはなっていないけど僕たちのターゲットであるティエリー(ヌービル)の前にいることはできている。チャンピオンシップ争いではまだチャンスがあるから、そこはポジティブに考えているよ」

セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)

「今週末はトヨタ勢がベンチマークになると予想していたけれど、もう少し彼らに近づきたかった。新しいパーツには満足しているけど、テストできたのは1日だけで(実戦投入は)少しリスキーだった」

「今日の走行もテストとして活用したけど、僕たちが目指しているものにするには、もう少し作業を進めなければならない」

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合8番手

「悪い1日ではなかったし、チームの3人ともかなり近いところで戦うことができた。もちろん、もっと上の順位を争いたかったけどね!」

「リスクを取りたくなかったから、午後は少しタイムをロスしてしまった。僕らはチームプレイに徹しなければならない。何が起ころうと、セバスチャン(オジエ)を抜くつもりはないから、リスクをとる価値はなかった」

●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ3総合6番手

「1日をとおしていい形で進めることができたし、サービスでマシンを少し速くすることもできた。午後の走行ではマシンのフィーリングがよくなっていて、いいタイムを出すことができたよ」

「ただ、先頭グループに比べるとまだ少しペースが不足している。それでも、ふたりのチームメイトに勝てたから、自分のドライビングと今日の走りには満足している」

■ヒュンダイ・モータースポーツ

●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合11番手

「出走順で1番手になるということは、いつだって厳しいものだ。昨日はティエリー(ヌービル)がそうしなければならず、今日は僕の番だった」

「今日のステージは、マシンを改善するために走行距離を積めるように、効率的に使わなければならなかった。解決策を見つけるために手を尽くしているけれど、今週末はそれほどできることがなさそうだ」

●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合10番手

ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)

「今日は出走順が2番手だったので、金曜に比べればわずかにいい1日だった。まあまあの1日だったと思う。よく考え、リスクを取ることはしなかった」

「自分たちに余裕がないことは分かっている。難しい状況だが、完全に受け入れなければ。マシンをコースで走行させ、フィニッシュへたどり着く必要がある」

「数イベントにわたってチャンピオンシップをリードしてきたけど、仕事が難しくなるタイミングが来るだろうことは分かっていた。そしてこのラリーがまさにそのタイミングなんだ! フィンランドは独特なイベントだ。このイベントを楽しみ、自分たちの限界を受け入れなければならない」

●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ3総合5番手

ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)

「今日の目標は、マニュファクチャラーポイントの獲得に集中することで、今のポジションなら達成できるだろう。「(チャンピオンシップを争う)フォード勢を抑えておきたかったし、(エサペッカ)ラッピは充分なマニュファクチャラーポイントを手にできないと思っていた」

「ただラッピを抑えるためにできることはほとんどなかった。いい走りをしていたからね。僕たちは落ち着いて、チームのためにミッションへ集中していた」

「気温が高かったので午後はタイヤを酷使することになったが、フィンランド人ドライバーたちと近い順位につけられてうれしい。ここは彼らのホームグラウンドだし、彼らは以前このイベントで優勝しているからね」

■シトロエン・レーシング

●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/デイ3総合9番手

「ドライバーにとってこれ以上何もできないという状況は常に不満が募るものだが、それでも出走順も良くまずまずの1日だった。出走順が近いドライバーたちと同様のタイムを出せたしね」

●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)/デイ3総合2番手

マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)

「壮大で骨の折れるステージに、今日もう一度、力のすべてを注ぎ込んだ。暑いコンディションだったので、午後はタイヤの酷い摩耗に対処しなければならなかった」

「2回目の走行用に2本のスペアタイヤを積んでいたから、余計なウエイトになってしまった。でも総合2位の座に食らいつくために、うまく戦えたと思っている」

「明日についてもかなり自信を持っている。今日は(ヤリ-マティ)ラトバラを抑えきれることをすでに示せたからね」

●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC)/デイ3デイリタイア

カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC)

「ルーズなグラベル(未舗装路)のテクニカルなセクションでミスをしてしまったのは残念だ。でも今回のような困難なイベントでは、こういうことも起きてしまう。明日はまた差を縮められるだろうと、かなり期待している」

■トヨタ

●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合3番手

「1日を通して楽しむことができた。午前中のステージでは依然スピードがやや不足していたけど、日中のサービスでクルマのセッティングを少し見直したところ、いいフィーリングが得られ、さらにプッシュできるようになったよ」

「攻めた結果としてタイヤの摩耗がかなり進んだけど、それでもなお速く走り続けられたことに自分でも驚いている」

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)

「明日はもちろん、(総合)2位を目指してアタックするつもりだ。ただし、そのためにリスクを冒すにしてもコントロールできる範囲内でアタックしなくてはならないけどね」

●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合首位

オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)

「今日も全体的にいい1日だった。今朝の出走順は昨日よりもはるかによく、いいリズムで走ることができたから、それほど激しく攻めていなかったにも関わらず2位との差を拡げることができた」

「午後は路面がかなり荒れており、なおか充分な差を築いていたし、さらに慎重に走ったよ。正直なところ、抑えて走るのはあまり楽しくないけど、リードをさらに拡げることができ、よかったと思う。明日はスムーズで速いステージがあるから、とても楽しみだ」

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ3総合4番手

「特に午後のステージで力強い走りができたと思う。午前中から楽しんで走り、ポジションを3つ上げることができた」

「そして午後のステージでは思いきり攻め、タイヤの摩耗をまったく気にせず走った。実際、リスクのある大きな挑戦で、最後のステージではタイヤの表面にあまりゴムが残っていなかったけど、それでもベストタイムを出すことができた」

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