WRC:フィンランド戦連覇を現地で見守った豊田社長「この地が本当の意味で『母国』なんだと実感」

 7月26~29日に行われたWRC世界ラリー選手権第8戦フィンランド。このイベントを制したTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム総代表を務めるトヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表。初めて現地で観戦したラリー・フィンランドで「この地が本当の意味で『母国』なんだと実感することができました」と語った。

 大会が行われたフィンランドにファクトリーを構えているトヨタにとって、このラリー・フィンランドはホームイベントとも呼べる1戦。2017年にはエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が自身初、チームに2度目の総合優勝をもたらしている。

 迎えた2018年大会では、今シーズンからチームに加入したオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が初日から快走。最終的に32.7秒ものリードを築いて自身通算4勝目、トヨタに今季2勝目をもたらした。

 また地元フィンランド出身のエースドライバー、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は今季2度目の3位表彰台を手にし、トヨタ勢の3台中2台が表彰台に上がった。

 現地でチームの戦いを見守っていた豊田社長は、タナクが最終SSを走りきり総合優勝を確定させた直後、タナクやコドライバーのマルティン・ヤルベオヤとヤリスWRCのルーフに登って喜びを爆発させた。

 また、豊田社長はフィニッシュ直後の表彰台セレモニーにも登場。タナク、ヤルベオヤとともに表彰台の中央に上がり、ライバルチームや地元ファンから祝福を受けた。

 戦いから一夜明け、豊田社長はコメントを発表。「トヨタガズーレーシングワールドラリーチームの本拠地で母国とも呼べる、ここフィンランドでの勝利が、これほど嬉しいものとは思いませんでした」と語った。

 豊田社長のコメント全文は以下のとおりだ。

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豊田章男(チーム総代表)

 トヨタガズーレーシングワールドラリーチームの本拠地で母国とも呼べる、ここフィンランドでの勝利が、これほど嬉しいものとは思いませんでした。この感動をもたらしてくれたチームのみんなにお礼を言いたいと思います。この場に一緒にいさせてくれて、そして、その一番高いところからの景色を見させてくれて本当にありがとう!

 ドライバー達が、ホームロードを心から楽しんで運転しているのが、コースサイドから見ていても伝わってきました。フィンランドの道が、ドライバーにとって楽しく、安心して走れるクルマをつくってくれたのだと思います。

 今回初めて、チームのホームタウンで戦うラリーに参加し、地元の皆さんが、こんなにもトヨタガズーレーシングを温かくサポートし、応援してくださっている姿を見て、この地が本当の意味で「母国」なんだと実感することができました。

 SSやサービスパークには、トヨタガズーレーシングの旗やフィンランド、エストニアの国旗を振りながら「I love TOYOTA! I love Yaris!」と声援を送る人が溢れていました。街には「Welcome to my home roads」と書かれたヤリスの大きな看板が掲げられ、ハンバーガーショップに入れば店員がトヨタガズーレーシングのTシャツを着ていました。

 18年振りの復帰から2年目で、こんなにも我々が地元の皆さんに温かく迎え入れてもらえていることを知るとともに「母国」で勝利することの喜び、素晴らしさを知ることができました。応援してくださったファンの皆様に、あらためて感謝いたします。本当にありがとうございました。

 今シーズンの戦いはまだ続いて参ります。エストニア、フィンランド、日本の国旗が並んで掲げられる姿を今後もファンの皆様にご覧いただけるように、引き続き、チームのみんなと努力を重ねてまいります。応援よろしくお願いいたします。

 今はまだ、日本でのWRCは開催されておりませんが、もう一つの母国である日本で、今日のように三カ国の旗がはためくことを表彰台の上で空を見上げながら想像していました。近い将来、その日を迎えられたらと、改めて強く願っています。

豊田章男社長は表彰台セレモニーにも登場。地元ファンから祝福を受けた
サービスパークには連日、多くのトヨタファンが集合
TOYOTA GAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦中の中嶋一貴と小林可夢偉、アンバサダーを務める脇阪寿一も現地でラリーを見守った

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