じぇじぇじぇ!おら、北三陸に来ただ!
稀代のモテ車、ボルボ XC60 D4で往く北海道・東北を旅するぶらり寄り道 大回りの旅。
<参考 前編はこちらから!>
前編では北海道内を1日で660キロ走破。深夜に苫小牧からシルバーフェリー(川崎近海汽船)に乗り込み、無事八戸に上陸したところで終わりました。ここからは東北を旅する後編のスタートです。
フェリーが到着した八戸市は、青森県でも南東側に位置します。少し南下すればもう、岩手県の北三陸エリアに突入!
北三陸といえば・・・「じぇじぇじぇ!」(さすがにちと古い)
2013(平成25)年度に放映されたNHKのテレビ小説「あまちゃん」の舞台ではないですか!
ドラマの舞台となった岩手県久慈市へ
朝ドラ「あまちゃん」といえば、コメディタッチの楽しいストーリー展開の中にも、2011年3月11日に発生した東日本大震災の事象についてもしっかり描かれていたり、劇中歌が現実にヒットするなど、放映当時はかなりの話題を呼びました。あれから5年。果たしてドラマのロケ地はどうなっているのでしょうか。その後が気になるところです。
ちなみにあまちゃんの主な舞台となった岩手県久慈市(ドラマの中では架空の北三陸市という設定)は、八戸市からおよそ60キロ弱、1時間半程度の道のりです。お、近い近い。この後ボルボ XC60 D4を「700km」(!)運転して東京に帰ることもあり、昨日ほど爆走しなくても寄り道出来るのは嬉しい限りです(笑)。
ドラマを熱心に観ていた方は久しぶりにグッとくる、観てなかった方は・・・美しいリアス式海岸が織り成す三陸の風景をご堪能ください!
ムネアツ! あの時観ていたドラマのシーンが目の前に広がる
駅に喫茶&スナック「リアス」は実在するのか!?
まず訪れたのは、ドラマでも重要な役割を果たした第三セクター鉄道「北三陸鉄道リアス線 北三陸駅」のモデルとなった三陸鉄道北リアス線の久慈駅。JR八戸線も乗り入れするターミナル駅です。
朝ドラでも数々の名(迷!?)シーンのロケが行われたほか、三陸鉄道の36-100形ディーゼルカーも度々「出演」していましたね。残念ながら実際の久慈駅の中には、夏ばっぱが経営する喫茶(夜はスナック)「リアス」はありませんでしたが、うに弁当は実際に駅の中の立ち食いそば屋さんで限定販売されていました。
観光協会が入居する駅前ビルもあの当時のまま現存
そして駅前ロータリーの向かいには・・・やはりドラマで重要な役割を果たす北三陸市観光協会がテナントに入っている(設定の)久慈駅前ビル。ああ、この中で北三陸をなんとかすっぺ会議(K3NAP)が行われていたのか・・・(感涙)
見るからに古く、テナントもほとんど入っていない状態のビルで、実際取り壊しされるという話もあるようですが、2018年7月時点ではしっかり現存しています。何よりうれしいのは、地元アイドル「潮騒のメモリーズ」の2人のイラストや北の海女、北三陸鉄道などが描かれたドラマ用の看板までしっかり掲げられているところ! 放映から早くも5年の時が過ぎていますが、放映時のまんまで残っていました。まだまだドラマファンが集まる人気のスポットとなっているようですが、しかしビルの見た目からしてこの状態のままでいつまで残るかはわかりません。気になる方はお早めにチェックを・・・。
ドラマの貴重なアイテムを間近で無料見学可能
さらに駅から徒歩1分の場所には、放映当時の貴重なドラマのセットや小道具(あの観光協会のジオラマも展示!)が多数集められた無料スポット「あまちゃんハウス」があります。ドラマファン感涙のアイテムの数々が展示されているので必見です。また街の商店街のシャッターのあちこちにあまちゃんのイラスト、通称「あま絵」※が描かれていたりして、思わず街歩きをしたくなる仕掛けがあちらこちらに見ることが出来ます。
※あま絵:あまちゃん放映当時、プロアマ問わず毎日の放送エピソードをイラストで描き即日SNSで公開。放送後もファン同士で楽しむ「あま絵」がブームになっていた
<三陸鉄道 久慈駅>
■岩手県久慈市中央3-38-2
<あまちゃんハウス>
■住所:岩手県久慈市中央2-9
※久慈駅前には有料駐車場あり
海女さんの素潜り実演がみられるのは夏の間だけ
ここまで来たのですから、本物の「北限の海女さん」を見に行かないことには始まりません。ドラマでは「袖が浜」と呼ばれた漁港は小袖漁港といい、久慈駅からクルマで10キロ弱、20分も走ればドラマで観たあの場所が広がります。当日も多くのお客さんで盛り上がりを見せていました。ドラマのヒットをきっかけに、5年経った今も安定した観光資源となっている様子でした。
小袖海女センターでは、毎年夏場の7月~9月末まで海女の素潜り実演を観ることが出来るほか、海女さんがその場で獲ったばかりの殻つきウニをその場で頂くことも出来るのです!
わ、ドラマのまんま!
今にも弥生さんやかつ枝さん(通称:メガネ会計ババア)らの声が聞こえてきそう・・・
<小袖海女センター>
■岩手県久慈市宇部町24-110-2
ドラマで観たあの堤防の風景が拡がる
主人公アキが飛び込んだあの堤防も、潜りを練習したあの海も、海女たちと橋幸夫を歌いながら降りてきた坂も、ストーブさんの監視小屋まで全て小袖漁港周辺にありました。
もちろんドラマを観ていなくても、久慈に来たなら北限の海女による素潜り実演は見てみるべき。思いのほかスピーディに、気付けばどっさり!ウニを獲る姿に圧巻です。小袖海女センターではウニ丼を頂くことも出来ますよ。
このほか北三陸には、のちに北鉄のアイドルとなるユイちゃんが自分の想いをトンネルに向かって叫んだ袖ヶ浜駅(三陸鉄道の堀内駅:ユイちゃんの名シーンが撮られた場所にはしっかり「袖が浜」の駅名標まであるサービスっぷり!)や、夏ばっぱが春子やアキを密かに海岸から応援していたあの鉄橋なども、ほとんど放映当時のままの姿で点在しています。
そんな「あまちゃん」ロケ地をあちこちと巡っている間に、気付けばすっかり夕方になってしまったのでした・・・今日中に都内へ戻らないといけないというのに! じぇじぇじぇ!(←言いたいだけ)
さあ、いよいよラストスパート!
さあ、いよいよラストスパートです。あとはひたすら東京まで向かうのみ。
ナビを見ると、東京の到着は日付が変わってずいぶん過ぎた時間を指してます。その距離、およそ700キロ! ここはもう慌てず騒がず、八戸自動車道・東北自動車道を淡々と走り抜けていくことにします。
ACCとパイロット・アシストがドライバーの負担を大幅に軽減してくれる
しかし大型トラックなど速度域の異なる多種多様な混合交通が延々と入れ替わりしながら走り続ける高速道路では、マイペースに走るのもひと苦労します。そんな時、XC60に標準装備される全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の優秀さが光ります。前車に対応する適切な加減速性能に加え、70km/h以上でウィンカーを出し前車を追い越すことをクルマへ暗に知らせると、一時的に加速を強める追い越しアシスト機能も備わっていて、高速道路のロングランでは、その有難みを嫌というほど実感出来ます。
加えて、近未来の自動運転の世界を垣間見せてくれるパイロット・アシスト(車線維持支援機能)のチューニングも年々ブラッシュアップされている様子。さりげないアシストでACCと共にドライバーの負担を飛躍的に「ラク」にしてくれます。もちろんこれはあくまでも補助装置ですが、今回のような超ロングドライブの場合、あるとないとでは大違いです。
ディーゼルとロングドライブの相性が抜群過ぎる
前編にも記しましたが、高速を淡々と走る際、XC60のディーゼルは最適なマッチングをみせてくれます。
高速道路というと、いっけん真っすぐでまっ平な道を淡々と走っているように見えて、実際には地形に応じたアップダウンが頻繁に出現します。常に一定の速度域を保つためには、地形に合わせこまめにアクセルを踏み込む必要があります(それをしないから自然渋滞が発生するのです!)。
XC60 D4は、その点でちょいとアクセルを強めるだけで、400Nmの最大トルクを1750~2500rpmからモリモリ発生させてくれます。不用意なキックダウンをして騒音が高まる頻度も最小限です。もっとも追い越し加速でグッとアクセルを踏み込んだところで、エンジン音の上昇は最小限。XC60 D4はエンジンの騒音も良く抑えられていて、これも疲労軽減に少なからず貢献しています。
もちろんACCとパイロット・アシストを使っていれば、そうしたアクセルワークの気配りを周囲の安全状況確認など他に回すことが出来て、さらに余裕あるドライブになりますね。目線の高いSUVは、その点においてもロングドライブ向き、なんです。
旅人からすると「東京はどっち!?」と一瞬戸惑う表示(九戸インター)
ドライブモードに合わせACCの特性も変化する
試乗車にはドライブモードが選択出来る機能が備わっています。ステアリングのレスポンスやエンジン・ミッションの特性が変更出来るのですが、例えばECOを選択すると、ACCも燃費を重視し車間を長めに取ります。前車の加減速に対しあまりに神経質に呼応すると、それだけで燃費も悪くなりますからね。決して前車にぴったり張り付きスリップストリームで低燃費!というわけではありません(笑)。
コンフォートならスムーズな車間維持を、ダイナミックならより積極的な追従走行モードに、という風に明確な変化があります。長年ACCを実用化しているボルボならではの細やかな配慮と言えます。
ちなみに、試乗車には4輪エアサスとドライビングモード選択式FOUR-Cアクティブパフォーマンスシャシーも備わっていましたが、今回のような多様なシーンに遭遇するロングドライブの場合、やはり基本的にコンフォートでの相性が良いようです。
いっぽう山道ではダイナミックが良かったです。と言っても、ガチガチに足が固くなって同乗者を酔わせるということではもちろんなく、むしろふらつきが抑えられる分乗りやすく、乗員にも優しい運転になるからです。
さらに長距離、しかも比較的交通量の少ない夜間(試乗日は日曜でした)で主にACCを用いた高速移動をする際には穏やかな特性のECOとの相性が良く、心地良く淡々と走ることが出来ました。ただし都市部では交通量の多さや車間維持のしやすさを考えると、コンフォートのほうがやはりマッチングが良いようです。
ひとたびその優しさに触れてしまうと、たまらず惚れてしまう
仙台からは海側に進路を変え、仙台東部道路から常磐自動車道へ。三郷JCTから、2018年開通したばかりの外環道千葉区間を抜け首都高湾岸線まで来ればゴールは目前。日付もすっかり変わった深夜(というかもう早朝!?)に、無事羽田空港へ到着したのでした。
いやあ、我ながらよく走った! 2日間で約1500キロを走破。ちなみにトータルの実燃費は、燃費計表示でおよそ14~15km/Lの間(参考値)を指していました。
2日以上に渡り朝から晩まで1500キロをひたすら走りきり、改めて実感するボルボ XC60の本質とは、乗る人に対する徹底的な優しさでした。
乗員を包み込み癒してくれる優しいシート。ディーゼルのネガを消した優しいエンジンサウンド。ロングドライブの疲労を優しく補助したり、衝突から乗員を優しく守ってくれる16種類以上のセーフティ性能「インテリセーフ」(おもてなしに溢れるACCとパイロット・アシストもここに含まれます)。
そのいずれもが、ひたすらユーザーに奉仕するための機能として備わっているのです。
XC60、いいひと過ぎます。そりゃ、モテるに決まってますよね。
[レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:小林 岳夫]
※2018年8月15日より価格改定と一部仕様変更を実施。Inscriptionグレードに従来はオプションだった「テイラード・ダッシュボード&インナードアパネル・トップ」および「harman/kardonプレミアムサウンド・オーディオシステム」(600W、14スピーカー、サブウーファー付)を標準装備化する。