神々を前に“復興の舞” 中江岩戸神楽、阿蘇神社拝殿跡で初奉納

阿蘇神社の拝殿跡を舞台に「柴曳(しばひき)」を奉納する中江岩戸神楽保存会。奥に見えるのは「二の神殿」=阿蘇市

 阿蘇市波野に伝わる中江岩戸神楽が28日、同市の阿蘇神社の御田祭[おんだまつり]で奉納された。奉納は恒例だが、今回は熊本地震で倒壊し、解体された神社の拝殿跡が舞台となった。国指定重要文化財の三つの神殿前で初めて、勇壮な舞が披露され、見物客を魅了した。

 中江岩戸神楽は国選択無形民俗文化財で、保存会などによると60年以上前から御田祭で奉納。会場は主に拝殿から約50メートル離れた境内北側で、地震後2年は復旧工事の関係で境内外の駐車場だった。

 拝殿跡一帯は安全対策のため、地震後は立ち入り禁止。同じく地震で倒壊した楼門の部材撤去などを終えたことで祭り期間中に限り開放され、拝殿跡での神楽奉納が実現した。

 保存会員らは、拝殿跡に残る高さ約70センチのコンクリートの土台を舞台に「五方礼始[ごほうれいし]」や「柴曳[しばひき]」など5座を披露。拝殿奥に鎮座し、補修中の三つの神殿をバックに、地震からの早期復興や地域の繁栄を祈って舞った。

 神社によると、拝殿の再建準備が今後始まるため、跡地での奉納は今回限りの可能性が高い。保存会の佐藤義勝会長(74)は「神聖な神殿を望む場所でできて感無量」と喜んだ。(岡本幸浩)

(2018年7月30日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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