認知機能検査 教習所に予約殺到 長崎県警 31日から試験場でも実施

 75歳以上のドライバーの認知機能検査を強化する改正道交法が昨年3月に施行されて以降、検査する自動車教習所に予約が殺到し、検査待ちが全国的に長期化している。県内では約2カ月と九州で最も長く、県警は今月31日から県運転免許試験場(大村市古賀島町)でも検査を始める。
 改正道交法では、75歳以上の高齢者は3年ごとの免許更新時に加え、信号無視や逆走などの交通違反をして摘発された場合に認知機能検査を受けるよう義務付けている。本県では県警が委託した22カ所の教習所で検査している。
 各教習所には高齢ドライバーが殺到し検査待ちが常態化。県警によると3月末現在、予約から検査までの日数は平均60・3日で九州ワースト1位。全国平均は49・6日、九州・沖縄平均は50・1日。免許更新時、70歳以上に義務付けられている高齢者講習も予約から受講までに平均36・95日かかるという。
 県警運転免許管理課の黒崎誠課長は検査待ちが長期化している状況について「検査の受け皿である教習所が同規模県と比べて少ない」と説明する。県警は解決策として県運転免許試験場でも週に1度、40人を受け入れる。
 認知機能検査に基づき免許証を自主返納、もしくは取り消し処分を受けた高齢者の情報を自治体へ引き継ぐ制度が8月1日に始まる。同日以降の返納・取り消しが対象で、認知症のおそれがある高齢者の情報を本人の同意を得て提供する。県警は「介護や生活相談など行政からの迅速な支援につなげたい」としている。

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