元日本代表MF水野 クロス高精度、チームに活

第25節の山口戦の後半、ドリブルで攻め上がる熊本の水野=25日、えがお健康スタジアム(小野宏明)

 第26節を終え、6勝5分け15敗の21位。今季42試合のJ2は正念場の後半戦に入ったが、ロアッソ熊本は昨季と同様にJ3降格圏に沈む。この苦境の中、元日本代表のMF水野晃樹がJ1鳥栖から期限付き移籍で7月に加入した。不調を極めるチームのカンフル剤になれるか。

 水野は21日の甲府戦を振り出しに、25日の山口戦、29日の大宮戦に出場。「自信がある」というクロスボールやコーナーキックは高精度だ。甲府戦ではJ1千葉の元同僚のFW巻誠一郎へアシストし、ゴールを呼び込んだ。それでも「ミドルシュートやラストパスなどゴールに近づくアイデアをサポーターにどんどん見せたい」と満足していない。

 得点を生み出す技術は豊富な経験に裏打ちされる。2007年にJ1千葉で9ゴールを決め、日本代表入り。07~10年はスコットランド・プレミアリーグのセルティックでプレーした。熊本に移籍後、助言を求められることも多いといい、「自分の経験をできる限り伝えたい」と前向きだ。

 合流して1カ月。チームメートの特徴も把握しつつある。「どこに、どんなボールが欲しいのか。みんなと意見を交わせば連係はもっと良くなる」と断言する。

 9月には33歳。ベテランの域に入るが、体力強化トレーニングでは先頭に立つ。「同じ年代に日本代表がいるし、きついメニューも全く気にならない」と頼もしい。

 22チーム中21位。低迷する理由を「ボールを失いたくないがために、プレーが後ろ向きになっている」と分析。「自分は試合で結果を出すために来た。勝てる雰囲気に変える」。残る16試合で浮上を誓う。(樋口琢郎)

●得点の選択肢増やす補強

 熊本が水野晃樹を獲得したのは、攻撃力の強化が理由だ。今季は皆川佑介や安俊柄[アンビョンジュン]が得点を量産している。ただ、サイドから持ち上がってクロスボールを相手ゴール前に入れ、シュートにつなげる形に偏っていた点は否めない。そこでゴールへの選択肢を増やそうと、足元の技術が高く、運動量もある元日本代表に白羽の矢を立てた。

 渋谷洋樹監督は、水野のポジションとして、最前線でプレーするトップの下に入るシャドーストライカーや、ウイングバックを想定。しばらくは途中交代でいいリズムをもたらすスーパーサブを担わせる予定だ。指揮官は「流れを変えられるキックは相変わらず見事。試合を落ち着かせる力もある」と評価する。

 ◇みずの・こうき 173センチ、66キロ。静岡市出身。清水商高からJ1千葉に入団し、柏、仙台などでもプレーしJ1通算157試合で16得点、J2通算23試合で1得点。家族は妻と長男(9)、次男(7)。趣味は家庭菜園で「自分で育てた無農薬野菜はおいしい」。

(2018年7月31日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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