ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー『ヤングブラッド』 ロック魂を秘めた極上のポップス

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー『ヤングブラッド』

 2011年、オーストラリアはシドニーで結成された4人組グループ。Youtubeへの投稿がきっかけで13年、ワン・ダイレクションの前座に抜擢され14年にデビュー。シングル「シー・ルックス・ソー・パーフェクト」は全英No.1のヒット、さらにグループ名を冠したデビューアルバムは全米No.1に耀きました。ワン・ダイレクションと同じマネージメントのため当初は“ボーイズグループ”と思われましたが、メンバー全員が楽器を演奏するしっかりとしたロックバンドであることを、ギターサウンド溢れる2nd.アルバムで証明しました。

 ジャック・ホワイトがヒップホップを取り入れたようにロックの方向性が注目される昨今ですが、本作で彼らはポップとロックの完璧な融合をみせてくれました。それは80年代のニューウェイブのように、ギターを抑えたロックのベースにメロディアスなヴォーカル・ハーモニーを載せるスタイル。まるでザ・カーズとインシンクが一つになった気さえしてきます。(ユニバーサル・2500円+税)=北澤孝

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