名南金属、豊橋技科大と産学連携 超ハイテンの切断加工を研究

 地区鋼板シャー大手の名南金属(本社・愛知県豊田市、社長・山田康二氏)は、豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市天伯町)と産学連携し、超ハイテン鋼の切断加工についての研究を進めることを決めた。先日、同大学の教授や学生が同社を初めて訪問。工場見学や状況把握などで研究課題を模索した。ハイテン鋼の切断加工によって生じるさまざまな現象を今後も継続的に研究する。

 同社は、自動車関連を主体に薄板加工および鉄スクラップ業を営む。薄板加工ではシャーリングマシン11基、ミニレベラー3基体制で、月間加工量は2500トン(加工枚数にして約200万枚)。シャー加工の品質要求の高度化や加工ニーズの多様化に対応し、随所にアイデアを盛り込んだ最新設備の導入を順次行っている。

 特に最近は、自動車の軽量化ニーズの高まりなどから引っ張り強度が120キロを超す超ハイテン鋼の加工比率が増え、シャーリング加工の難易度が極端に高まっている。

 このため同社では「硬い鋼板をいかに効率的に加工し、全社の生産性向上につなげるかが納期対応などの面でも重要。今後も多様化するニーズに対応していきたい」(山田社長)との考えから、産学連携による加工技術の高度化に取り組み始めたもの。

 同大学の専門分野の教員と同社が連携し、共通の課題について研究することで、優れた研究成果や独創的な研究につなげる。

 同社では、今回の連携と同時に相澤鉄工所製のセミオートシャー「SAR―620」を導入。120キロ鋼など超ハイテン鋼板の加工ニーズにターゲットを当てた仕様とするなど、ハイテン鋼の加工品質向上に取り組んでいる。

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