長崎県8科目で全国平均を下回る 全国学力テスト

 文部科学省が公表した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)結果によると、長崎県の公立校の平均正答率は、小学6年の国語A、同B、算数A、同Bの2教科4科目、中学3年の国語A、同B、数学A、同Bの2教科4科目の計8科目で、全国平均を1~2ポイント下回った。長崎県教委は文章やグラフを読み解いて必要な情報を取り出し、考えをまとめる能力に課題があるとしている。

 学力テストのうち、国語と算数・数学はそれぞれ基礎的知識を問うA問題と、知識の活用力をみるB問題に分けて出題。これらに理科を加えて小6、中3のいずれも3教科5科目で実施した。長崎県教委によると、長崎県内の公立498校の約2万2600人(小6は約1万1500人、中3は約1万1100人)が臨んだ。

 長崎県の正答率は、小6の国語A、算数A、同B、中3の数学Bで全国平均を2ポイント下回った。小6は、同じ漢字が使われる文を選択する国語Aの問題や、グラフから数の関係を読み取る算数Bの問題などで全国平均を下回った。

 児童生徒の学習状況などの調査では、「家で授業の予習・復習をする」としたのは小6で全国平均より4・1ポイント少ない58・5%、中3で同2・1ポイント高い57・3%。「放課後に学習塾などで勉強する」と答えたのは小6で同7・8ポイント少ない24・4%、中3は同10ポイント少ない32・1%だった。

 一方、「いじめはどんな理由があってもいけない」としたのは小6で同0・2ポイント高い97・0%、中3で同1・4ポイント高い96・9%だった。

 長崎県教委は「例えば中3の数学Aは、上位3自治体と下位3自治体の平均正答率に、19ポイントの差がある。成果の上がった自治体の方法や対策を分析して情報交換をしたい」としている。

 長崎県教委は今後、長崎県内自治体別の成績を公表する予定。

 ■ズーム/全国学力テスト

 2007年度から小6と中3を対象に実施。国語と算数・数学のほか、3年に1度は理科が加わる。中3は2019年度から英語も3年に1度実施される予定。文科省は過度な競争を招かないよう、市町村別・学校別成績の公表を禁じていたが、2014年度から各教委の判断で公表できるようになった。

全国学力テストの平均正答率

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