【特集】日本ボクシング連盟 流用は「事実」 公式サイト再更新、謝罪の文言消える

日本ボクシング連盟の山根明会長=2014年撮影

 日本ボクシング連盟(山根明会長)は1日、公式サイトを更新した。

 日本スポーツ振興センター(JSC)から交付された助成金で不正流用の疑いがあることについて「遺憾ながら、これは事実です」とコメントした。しかし文書は一度削除され、再更新した後に「(山根)会長としての責任であり、JSCや日本オリンピック委員会(JOC)に謝罪致します」という文言がなくなっていた。この日、山根会長は全国高校総体のボクシングの開会式(岐阜)を欠席。連盟の幹部は「(会長は)体調を崩して入院している」と説明している。(共同通信47NEWS編集部)

 

 再掲載

 

 日本ボクシング連盟の公式サイトによると、1日に「掲載文について(お侘び)」というタイトルで、掲載文について誤って作成途中の文書が掲載されたと通知。再掲載後の文書では「告発の提出先であると称する日本オリンピック委員会、日本スポーツ振興センターその他による日本連盟に対するご指導又は、手続きの中でのみ対応せざるをえませんので、このことをご了承ください」としている。

 リオ五輪に男子ライト級で出場した成松大介選手について、15年度に日本スポーツ振興センターから交付された助成金240万円について、山根会長の指示で3等分されて助成対象外の別の2選手に80万円ずつ渡されていたとされる。連盟は「このことは会長が他の2選手のことを思う親心からしたことであり、会長個人が個人の利益目的からしたことではありません」と1日の公式サイトで主張している。

 

日本ボクシング連盟の山根明会長(右)とロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太選手(左)=2013年

 「会長接待の件」

 

 また、公式サイトの最後に「会長接待の件」という項目で「告白者は山根明会長の大会時の宿舎につき、スイートルームなど豪華な部屋を確保するようにとか、贅沢な食品を用意するよう通知を受けていると告発しているようですが、日本連盟がそのような指示をしたことはありません。広い部屋を会長室としているのは、夕食後に役員・審判員のミーティングのため、会議室等を別に確保すれば費用が掛かるので、その費用負担を軽減するためです」と説明している。

 1日の高校総体の開会式の参加者の中には山根会長らに辞めてほしいと発言する人もいた。今大会では試合映像が記録される。

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