「小早川家住宅」初の一般公開 6~31日 国の登録有形文化財と登録記念物

 四つの国登録有形文化財と国登録記念物(名勝地)を有する長崎県島原市城内2丁目の武家屋敷「小早川家住宅」(小早川邸)が6~31日、初めて一般公開される。
 「湧水城下町おもてなし事業」の一環。所有者の市から事業を委託されている島原観光ビューローが1日、報道陣向けに公開した。中村慎次社長は「島原の歴史をひもとく貴重な文化財。この機会にぜひ来場を」と呼び掛けている。入場無料。
 市教委などによると、小早川邸は元島原藩士・佐野勇太郎氏の屋敷。その後、小早川氏の所有となり、2015年1月に子孫の小早川春信氏が市に寄付した。
 邸内の国登録有形文化財は▽1890年に建てられた木造平屋(一部2階建て)の主屋▽江戸末期に建てられた正面入り口の薬医門▽江戸後期に築かれた敷地を囲む石塀▽敷地北側にある明治後期のれんが塀。国登録記念物は湧水を取り入れた江戸期の池泉庭園。
 邸内には多様な果樹もある。近くにある常盤御茶屋跡の湧水が2本の水路を通じて流れ込み、清涼感を漂わせつつ、当時の武家屋敷のたたずまいを今に伝えている。
 公開時間は午前10時半~午後3時半(最終入館午後3時)。問い合わせは同社(電0957・62・4766)。

1890年に建てられた主屋。手前は池泉庭園が広がる=島原市城内2丁目
正面入口の薬医門と石塀

© 株式会社長崎新聞社