チェルシー新監督サリの「唯一無二の哲学」、それを表す15の名言

『Planet Football』は、「チェルシーの新監督マウリツィオ・サリを表す名言」という記事を掲載した。

今夏ナポリを退任してイングランドに渡ったサリ監督。40歳を超えるまで銀行員として働いており、選手としてのキャリアは一切ないという異色の指揮官だ。

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彼の哲学を表す名言とは?

元イタリア代表監督アリゴ・サッキの談

「マウリツィオ・サリのチームのプレーを見ていると、彼らがどのような練習をしているかがすぐわかる。

彼は天才だ。私がイタリアユース代表のテクニカルディレクターをしていたとき、子どもたちを連れてセリエBを見に行ったもんだ。

いつも彼が率いるエンポリに強い印象を受けていた。彼は選手のことを気にかけているし、選手もサリを理解していた」

また、サリの哲学については以下のように話した。

「彼はサッカーを積極的に解釈しようとしているんだ。自分が主人公となり、他者の考えに付いていこうとはしない。

それは、ゲーム自体の価値を高めているし、選手の自信も大きくさせている。壮大なサッカーを生み出すからだ」

エンポリで指導を受けたダニエレ・ルガーニの談

「サリは、僕の成長において欠かせない存在だったんだ。

彼はとても素晴らしい戦術的なトレーナーだ。重要な基礎を与えてくれたし、それは永久に僕の中に残る。

サリはカリスマ性がある。選手を鼓舞する方法を知っている。正しい決断でピッチに送り出す。

そして、選手が助けや安心を必要としている時が来れば、彼はそれもやることができる」

クルバン・ベルディエフ(ルビン・カザン監督)の談

ルビン・カザンで監督を務めているベルディエフは、イタリアで指導者としての勉強をした人物だ。

「サリの能力は、その組織構築力にある。彼はサッカーをプレーしたことはないが、頭の中はとても知性的だ。

彼は心理を分析することに熱心で、全てをシステム化することができ、試合を体系化する。

サリの戦術練習は本当に興味深い。あらゆる詳細に注目している。彼らのすべての試合を楽しんだよ。

私は彼をグアルディオラよりも高く評価しているよ。サリの強みは詳細にある。どんな小さな部分にも目を向けている。

グアルディオラは同じようにすべての詳細に目を向けているが、サリのほうが視点が深い。選手の考え方まで教えることができるからね」

ゴンサロ・イグアインの談

ナポリに加入したイグアインは、サリからダイエットを命じられ、厳しいトレーニングを受けることになった。

その結果42試合で38ゴールという結果を残し、その後ユヴェントスへと移籍していった。

「サリはすぐに僕を大いに助けてくれたんだ。選手として、あの時は『不可欠な存在だ』と感じさせてくれた。

選手にとって、時に対話はもっとも重要なものになる。サリは少し父親みたいな感じだった」

ドリース・メルテンスの談

ナポリに所属しているベルギー代表FWメルテンスは、サリ監督の指導について以下のように話していた。

「サリは僕にサッカーを教えてくれた。我々は、全員の人生を変えてくれた指揮官に率いられているのだ。

彼はサッカーを理解する方法を持っており、それを我々に伝えてくれる。その哲学は我々と他のチームを区別しており、最高の形で自分たちの試合を表現することを許している。

サリのスタイルで最も好きなのは、ボールを持っていない場面での組織、相手がボールを持っているときのプレッシャーのかけ方だ。

頭の中で彼は試合を最後までシミュレーションし尽くしているように感じるよ。まるでピッチ上にもうひとり選手がいるかのようだ」

ジョゼップ・グアルディオラの談

「ソファーに座ってサッカーを見ることを愛する私のような人間にとっては、ナポリは素晴らしいチームだ。そしてサリのサッカーは、見る喜びを感じられる。

しばしば、監督は勝敗によって裁かれるものだ。しかし、その大意や形も見なければならない。

サリはエンポリとナポリに素晴らしいサッカーをさせた。そしてファンタスティックな仕事をした」

また、昨季終了時には以下のように話していた。

「サリは間違いなくベストな一人だ。

我々は『何を勝ち取ったか』という点において人々に判断されるものだ。

しかし今季のナポリがプレーしているサッカーを見ると、その世界からは外れているようだ。

彼はとてもうまくやっているよ。ナポリのサッカーを見るのは壮観だ」

「マウリツィオ・サリが最高の監督の一人であることは間違いない。彼はナポリとともに信じられないほどのものを達成した。

彼のサッカースタイルは、太陽の下で飲むドリンクと同じくらい良いものさ」

ファビオ・カペッロの談

「この20年間、サッカーはイノベーションを続けてきた。

アヤックスが改革し、アリゴ・サッキのミラン、それからジョゼップ・グアルディオラ。彼はむしろサッカーを眠りに落とした。

幸いなことに、マウリツィオ・サリを得ることができた。彼は再びサッカーを目覚めさせることができる」

マウリツィオ・サリ、フォーメーションについての談

「私のコーチの一人は、『フォーメーションについて話す人たちは、サッカーについて何も知らないんだ』と言っていた。

我々はすでにマレク・ハムシークとラインの間でプレーしている。それからフォワードがラインの間に入る。

あまりにも多くの変化を加えることはできる。しかし、それをした場合はチームの確実性を失わせてしまうのだ」

カリドゥ・クリバリの談

「サリは本物の天才だよ。彼は他の人が見えないものを見ている。

サリはサッカーがどのようなものか理解させてくれる。予測不可能なものがないかのようだ。

彼は学者なんだ。どんな質問も答えてくれる。そしていつもそれが正しいんだ。

個人ではなくチームとしてどう考えるか、そうすることを助けてくれる。一言で言えば、サリのサッカーは数学なんだ」

ガブリエーレ・マルコッティの談

ジャーナリストのマルコッティ氏はサリのメソッドを学び、練習の詳細を記録した。

「多くの練習は、終りが見えない繰り返しに基づいている。選手の共同作業とタイミングの調整が、サリの試合に必須のものなのだ。

サリはそれをかなりのハイペースで行う。4時間も走らせることがないようにしており、選手が退屈することを避けようとする傾向がある。

有機的な点を強調し、反復する。それは選手たちに『自信を持ってスペースにパスを出す』ことを促すし、仲間がどこにいるかを理解できる」

マウリツィオ・サリ、自身の哲学について

昨季のユヴェントス戦に向けて行われた記者会見で、サリ監督は以下のように話した。

「スタジアム、対戦相手、状況にかかわらず、我々のチームは常にイニシアチブを取ってサッカーをしようとする。それが哲学だ」

パディ・アグニューの談

アイルランドの『Times』でイタリアサッカーを担当しているアグニューは、サリのサッカーについてこう語る。

「サリは、おじいさんの言葉を引用するのが好きなんだ。

『我々はサッカーをするためにここに来た。トラックの荷を下ろすのではない。屈強な人は必要なく、ボールで遊べる者がほしいのだ』と。

カジェホン、メルテンス、インシーニェ。前線にこの小さな3名がいるのは、理由なくして行われていることではない。

サリは彼らを信頼している。その種のサッカーを信じているから、彼らから離れないのだ」

マウリツィオ・サリ、チェルシー公式チャンネルに話す

チェルシーに就任したサリ監督。最初のインタビューで自身のスタイルについて聞かれると…。

「まず第一に、私はこのスポーツが大好きなのだ。

サッカーを愛している。あとはそれからの成り行きだ」

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