キリスト教関連 歴史文化遺産群 123件に 長崎県 世界遺産以外も登録

 県内と熊本県天草地方のキリスト教に関する遺産を一体的にPRする「長崎と天草地方のキリスト教関連歴史文化遺産群」に県が登録を始めて間もなく5年。登録数は123件に上る。世界遺産に決まった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産も含んでおり、県は各地域の史跡と合わせた広報活動に力を入れている。
 広域的な地域活性化を目指し、2013年度に登録を開始。世界遺産の構成資産のほか、田平天主堂(平戸市)など構成資産から除外された遺産や、各地の文化財、博物館などからなる。県は各市町の申請を受けて登録し、ウェブサイト「おらしょ こころ旅」などでPRしている。
 自治体別では▽長崎市26件▽南島原市17件▽平戸市15件▽大村市14件▽熊本県天草市9件▽雲仙市、熊本県苓北町各7件▽五島市、小値賀町、新上五島町各5件▽波佐見町、熊本県上天草市各3件▽西海市、東彼杵町各2件▽佐世保市、時津町、川棚町各1件-の順に多い。
 世界遺産の構成資産がない自治体で登録数最多は大村市。日本初のキリシタン大名、大村純忠の屋敷跡や、大村藩が潜伏キリシタン約400人を処刑した「郡崩れ」に関する史跡が登録されている。市の担当者は「大村はキリスト教の伝来と発展で重要な役割を担った土地。構成資産を持つ自治体と連携し、歴史をPRしたい」。
 一方、県内7市町では登録がない。県は「県全域で登録数が増えるよう各市町に促す」としている。

文化遺産群に登録されている田平天主堂=平戸市田平町

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