対馬ファン拡大を 島おこし協働隊に初のUターン者

 都市部の人が島に移住して活性化に尽力する長崎県対馬市の特別職非常勤職員「島おこし協働隊員」の委嘱状交付式が1日、市役所であり、同市豊玉町出身のウェブエンジニア、小宮大輔さん(33)がUターン者初の隊員になった。
 「対馬観光ディレクター」として観光情報発信などを担う小宮さんは「技術や人脈を生かし、島外の人が対馬ファンになるような観光振興を目指したい」と抱負を語った。
 協働隊は総務省の制度を利用して対馬市が2011年度に創設し、任期は原則3年。これまで24人を委嘱したが、小宮さん以外は島外出身者。
 小宮さんは県立対馬高を卒業後、九州工業大(福岡県)に進学。東京や神奈川のIT企業で働いた後、今年3月に福岡市内でウェブ・人材コンサルティングのベンチャーを起こした。今後は対馬に拠点を移す。
 交付式で、桐谷雅宣副市長は委嘱状を手渡し「お帰りなさい。対馬の観光客は、国内からがなかなか伸びていない。持てる力を存分に生かし、国内観光客を増やしてほしい」と激励した。
 小宮さんは「島を離れてみて、自然や歴史など対馬の魅力が分かるようになった。対馬の人に光を当てたウェブマガジンの発行などに取り組みたい」と張り切っていた。

桐谷副市長から委嘱状を受け取る小宮さん(左)=対馬市役所

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