【図解あり】自民党総裁選の仕組みを解説!次の総理大臣を選ぶには?

9月20日に予定されている自民党総裁選。連日、各種報道でニュースを目にする方も多いでしょうが、「政党の代表者を決める選挙が、なぜこんなに注目されるのか?」と素朴な疑問を持っている方もいるかもしれません。これは、自民党が与党第一党であるため「自民党総裁を決める=総理大臣を決める」のと同じ意味を持つからです。

総理大臣は国会の議決で指名されることになっており、第一党である自民党の総裁選は実質的に総理大臣が決まる選挙であると言え、党所属の政治家や党員以外の一般方からも注目を集めているのです。またそのため、報道機関各社は投票権のない一般の方にも「次の総裁に誰がふさわしいと思うか」といった旨の調査を行っています。

では「誰が自民党総裁選に投票できるのか?」や「今回の総裁選は何が注目点なのか?」といった疑問点も解説しましょう。

誰が投票できるの? 自民党の所属議員・自民党員・党友(とうゆう)

衆議院選挙や参議院選挙と違い、総裁選は「自民党内」の選挙なので、自民党に関わる人しか投票権がありません。具体的には自民党の所属議員と自民党員・党友(とうゆう)が投票できます。なお、党友(とうゆう)とは自民党を応援する政治団体「自由国民会議」等の会員のことで、立場的に党員になりにくい著名な方などが党友になっています。

さらに、総裁選の投票権を得るためには以下の条件を満たす必要があります。(8月2日時点)

・満20歳以上であること(18歳以上に変更される予定)
・日本国籍を持っていること
・2年連続で党費を納めていること

現在は「満20歳以上」という規定がありますが、8月中旬にも変更され、18歳・19歳も投票可能となる見込みです。
また、「2年連続で党費を納めていること」という規定があるため、今から自民党員になったとしても総裁選へは投票できません。ちなみにアメリカでは、大統領選に向けて各党内で候補者を決める予備選挙の直前に入党し投票することができます。

今回の立候補者は? 安倍氏・石破氏・野田氏の3名の名前があがる

今回の総裁選には、3選を目指す安倍晋三現総裁のほか、石破茂元幹事長、野田聖子総務大臣の3名が立候補に向けて動きを加速させています。

総裁選への立候補が確実視されている安倍氏ですが、正式な表明の時期に関しては西日本豪雨への対応などから「まだ先のことを考える余裕はない」とし、「『セミしぐれ』を聞きながらよく考えていきたい」と語っており、8月下旬にも態度を明らかにすると思われています。

石破氏は7月22日の通常国会閉会日に総裁選への立候補の意向を表明しました。森友・加計学園問題に関して現政権への批判とも取れる発言を繰り広げてきた石破氏は、自民党の体質改善を総裁選の争点にあげると見られています。

野田聖子氏は早くから立候補の意向を表明していましたが、党内での支持が広がらず、厳しい状況が続いています。総裁選の立候補には国会議員20人の推薦が必要ですが、野田氏は前回2015年の総裁選の際に20人を確保できませんでした。今回も同様に立候補できないとの見方もあります。

現時点での情勢は? 安倍氏優勢も地方票などは流動的

総裁選の仕組み

共同通信が党所属の国会議員405人の支持動向を探ったところ、80%弱にあたる310人が安倍氏を支持し、石破氏は25名ほど、野田氏は2名となっており、安倍氏の3選が確実視されています。一方、竹下派に所属する参議院議員は石破氏の支持を検討しているとされているほか、国会議員405人分の票と同じ重さを持つ地方票(党員・党友の票)の行方によって情勢が変化する可能性もあります。

 

なお、選挙ドットコムでは「自民党総裁選特設ページ」を設け、各種解説を行っていますので、あわせてご覧ください。

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