イバンカさん、大統領に公然と反旗翻す

By 太田清

イバンカさん(左)とトランプ大統領=2017年6月13日、米中西部ウィスコンシン州(AP=共同)

 トランプ米大統領の長女で大統領補佐官のイバンカさん(36)は2日、トランプ政権が行っていた拘束した不法移民の親子を分離する政策について「断固反対する」と語った。また、トランプ大統領がメディアについて「国民の敵」と呼んだことに対しても「そうは思わない」と否定した。ワシントンでの会合で、ニュースサイト「アクシオス」の質問に答えた。ABCテレビは「父親の主張と政策に公然と反対した」と伝えた。 

 親子分離は不法移民への「不寛容政策」の一環としてトランプ政権が導入。国内外の激しい反対を受け撤回したものの、不法移民の取り締まりを強めるなど不寛容政策そのものは強化している。親子分離問題では、イバンカさんがツイッターに自分の2歳の息子を抱き上げ見つめ合う写真を投稿したところ、「引き離された親子の苦しみを考えろ」などと批判が殺到する騒ぎともなっていた。 

 親子分離を巡る騒ぎについて、イバンカさんは、ホワイトハウスにとって最悪の事態となったとの指摘に同意した上で「私にとっても最悪だった」と認めた。「信じ難いほど難しい問題で、私自身、とても感情的に問題を受け止めた」とも告白した。 

 また、トランプ氏がツイッターで「大量のフェイクニュースが流れている」と指摘した上でメディアを「国民の敵」と呼んだことに対しても聞かれ、「報道が全て正しいとは思っていないし、報道を懸念する人がいるのも理解できる」としながらも「メディアは国民の敵とは思わない」と断言した。 

 イバンカさんの発言直後に、トランプ氏は「彼女は正しく否定した。国民の敵は、メディアの大半を占めるフェイクニュースだ」とツイート。イバンカさんと自身との間に見解の相違はないとの考えを強調した。(共同通信=太田清)

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