【高炉3社の通期業績見通し】〈大手2社堅調、神鋼は減益〉新日鉄住金、事業益3500億円

 新日鉄住金が2日に18年4~6月期決算と通期見通し(IFRS=国際会計基準)を発表し、JFEホールディングス、神戸製鋼所と合わせた高炉大手3社の決算が出そろった。前3月期の連結経常利益は、新日鉄住金が3期ぶり増益となる2975億円と前の期比7割増益、JFEは前の期比2・5倍の2163億円、神戸製鋼は711億円へ黒字転換とそろって回復したが、今期見通しでは大手2社が比較的堅調なのに対し、神戸製鋼は大幅減益と明暗が分かれる。神鋼は鉄鋼設備トラブル(7月に発生した焼結鉱生産設備)などが響き5割経常減益となる見通し。

 各社とも堅調な需要を受けて鉄鋼設備はフル稼働が続く。大手2社は、副原料価格や資材価格・物流費上昇などコストアップはあるものの、鋼材価格上昇によるスプレッド(マージン)改善や生産数量増などで実質増益基調になる。

 神戸製鋼は、上工程を加古川製鉄所に集約したことで、もともと今期は粗鋼減産(700万トン)の見込みだったが、今回のトラブルでさらに減産となる。

 一方で神鋼は建設機械(コベルコ建機)の好調が目立つ。中国でのショベル販売台数増加で通期経常益見通しを240億円に上方修正したが、これは過去最高に迫る水準。過去最高は14年度の261億円、2位が10年度の249億円で、それに続く歴代3位の水準となる。

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