日産、EV電池事業を譲渡 中国系再生エネルギー企業に

 日産自動車(横浜市西区)は3日、電気自動車(EV)用のリチウムイオン電池事業を、中国の再生可能エネルギー事業者のエンビジョングループに譲渡する株式譲渡契約を締結したと発表した。

 エンビジョンは、日産の子会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC、神奈川県座間市)や北米日産が保有するバッテリー生産事業、英国日産のバッテリー生産事業を譲り受ける。

 日産は、バッテリー事業の譲渡に向けて中国の投資ファンドと進めていた取引が解消されたことを受け、譲渡先を探していた。日産は新会社の株式または持ち分の25%を保有する。手続きは来年3月までに終える予定。

 エンビジョンへの経営権移転後も、AESCや追浜、厚木など県内にあるバッテリーの開発や生産技術部門、米国と英国のバッテリー生産工場に勤務する全従業員はそのまま雇用される。新会社の本社と開発拠点は引き続き日本に置かれる予定。

 日産の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「世界的な新エネルギー分野におけるリーディングカンパニーであるエンビジョンと最終合意に至った。中期計画で定めた目標の達成に向けて、EVのさらなる開発と生産に集中することができる」と述べた。

日産自動車の電気自動車「リーフ」

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