“いまの日産のすべて”を体感しちゃおう|日産オールラインナップ試乗会で最新車種イッキ乗り!

日産オールラインナップ試乗会

NISSAN INTELLIGENT MOBILITYにイッキ乗り

はじめまして!伊藤 梓(いとうあずさ)と申します。某自動車雑誌の編集者として約4年間経験を積んだ後に独立。これからはもっとたくさんの方々に車の魅力を伝えられたらと思っています。

さて、今回は千葉県袖ヶ浦市にある東京ドイツ村で行われた日産オールラインナップ試乗会に参加しました。これまでの経験のなかでも、こんなにたくさんの日産車に一度に触れるのは初めて。とくに今回は「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」というコンセプトに沿った最新型の車を中心に試乗できるとのこと。安全技術や電動化なども含めて、“いまの日産のすべて”をたっぷり体感してきました!

人の感覚に合わせ繊細に調整されたリーフの自動ブレーキ

日産 リーフ“インテリジェント エマージェーンシーブレーキ”(自動ブレーキ)実演[日産オールラインナップ試乗会]
日産 リーフ“インテリジェント エマージェーンシーブレーキ”(自動ブレーキ)実演[日産オールラインナップ試乗会]

だだっ広い駐車場に置かれた、車のリアが描かれたパネル。それを見て「おお!これはテレビでよく見るやつ!」とテンションが上がった。そう、まず案内されたのは、電気自動車の日産 リーフを用いた自動ブレーキの体験コーナーだ。

日産で“インテリジェント エマージェーンシーブレーキ”と呼ばれているこの安全技術は、フロントガラス上部にある単眼カメラで車や人を検知し、衝突する恐れがある場合に自動でブレーキをかけてくれるシステム。

手順は簡単。ハンドルを切らずに一定速でパネルに直進するだけ。アクセルペダルを踏み込むと、どんどん車のパネルが大きくなって近づいてくる。自分ならもうブレーキをかけるタイミングになっても、車は速度を保ったまま進んでいく。「ダメだ、ぶつかる!」と思った瞬間、自動で強い急ブレーキがかかり、パネルと目の鼻の先でピタッと停車した。

「思ったよりギリギリの位置なんだ」と驚いたけれど、どんな速度でも(作動する車速は約10〜80km/h、歩行者に対しては60km/h以下)前方の障害物に対して同じ距離に停車するようになっているのだそう。もう一度挑戦してみると、なるほど、先ほどとまったく同じ位置で停車した。

ここで気づいたのは、安全技術とは細やかな調整が必要なのだということ。もっと手前で作動させるようにすると、しょっちゅう警告が出てしまって、運転手に余計な不安を与えることになりかねない。

実際にあまりに警告が早く出る車だと、安全装備自体を解除する人まで出てきてしまうとか。それでは本末転倒だ。そういう意味では、日産の自動ブレーキは人の感覚に合わせながらしっかり安全性を確保してくれていると感じた。

駐車スペースのど真ん中にピタリと止める、EVならではの全自動駐車支援システム

日産 リーフ“インテリジェント パーキングアシスト”実演[日産オールラインナップ試乗会]
日産 リーフ“インテリジェント パーキングアシスト”実演[日産オールラインナップ試乗会]

お次は、とくに女性ドライバーには嬉しい機能“インテリジェント パーキングアシスト”。駐車ラインをカメラで検知し、ハンドル/アクセル/ブレーキ/シフト操作をすべてリーフが自動で行ってくれる駐車支援システムだ。

ナビ画面に駐車できるスペースが表示されるので、それをポチッと選んで、あとはパーキングボタンを長押しするだけ。するとクルクルとハンドルが回り出して、一発で駐車スペースのど真ん中にピタリ。

私の女友達はバック駐車が苦手な人が多く、いつも頭から入れて結局出すときに苦労しているので、これは喜ばれそう!と思った。高級車ではなくて、こういった身近な車に装備してくれるところが何より嬉しい。私はさすがに友人より駐車が上手い自負はあるものの、パーキングアシストのように毎回一発でぴったり真ん中に停められるか?と聞かれると、たぶん答えはNO……。

それに、いまどきの女性は男性に対しても運転の上手さをそこまで求めていないと思うので、男性でも駐車のときにはこのボタンひとつで済ませてしまう方があるいはスマートかもしれない。

日産 ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツ スペック)[日産オールラインナップ試乗会]

“電欠”を気にせずEVをつまみ食いできるノートe-POWER

日産 ノートe-Power/ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC[日産オールラインナップ試乗会]

日産といえば、運転支援技術のほかにも電動化に積極的な印象がある。それを体感するため、最近街中でもよく見かけるようになった大人気のノートe-POWER(イー・パワー)に試乗することに。

やっぱりモーターでスイスイ走る感覚は気持ちいい。アクセルを踏み込んだ先からパワーが湧き上がってくるのが分かる。ノートe-POWERはいわゆるシリーズ式ハイブリッドで、エンジンで発電した電力をバッテリーに蓄え、その電気でモーターを駆動する。つまり乗った感覚は電気自動車(EV)と一緒。“電欠”を気にせずEVをつまみ食いできるモデルと考えれば、お得かもしれない。

ノートの小さくて軽い体に、パワーを出し入れしやすいモーターは相性がいい。街乗りでちょこちょこ走り回るのに便利だろうなぁと、自分が買い物に行くシーンを自然に想像してしまう。

スポーティだけど上品なノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC

日産 ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツ スペック)[日産オールラインナップ試乗会]
日産 ノート AUTECH(オーテック)

ノートe-POWERに試乗したあと気になったのは、ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツ スペック)だ。2017年末、NISMO(ニスモ)に次ぐサブブランドとして登場したオーテックは、セレナ AUTECHを皮切りにラインナップを増やしており、このノートe-POWER AUTECHシリーズもそのひとつ。

ノーマルのノート e-POWERをベースとして、装備をよりプレミアム感あるものにしたノート e-POWER AUTECHに対して、試乗車のSPORTS SPECはスポーティなドライビングの楽しみをさらに進化させたモデルだ。

SPORTS SPECは、サスペンションやパワーステアリング、モーターの出力特性が専用チューニングされているほか、タイヤが16インチにサイズアップ。さらにボディ補強まで施されており、まさに走りにこだわる方にはもってこいのモデルになっている。足回りのセッティングはノート NISMOと同じで、オーテックの大人な雰囲気からは想像できないほど、内に秘めているポテンシャルは高そうだ。

もはやホットハッチと呼べるパワフルさ

日産 ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPEC(オーテック スポーツ スペック)[日産オールラインナップ試乗会]

ノートe-POWER AUTECH SPORTS SPECに乗り出した瞬間、「なにこれ?!」とびっくり。あきらかにノーマルのe-POWERより出足がパワフルなのだ。グイグイと前に引っ張られて行く感覚は、もはやホットハッチのそれ。最高出力/最大トルクはベースモデルと変わらないが、ドライブモードのノーマルかSを選ぶとよりスポーティに感じる出力特性にしているという。

ノート NISMOと同じ足回りと聞いて「乗り心地は硬めなのかな」と思っていたが、サスペンションはしっとりと滑らかにストロークするので、乗り心地も好印象だった。これなら遠くまでも足を伸ばせそう。

私は普段レース仕様のスポーツカーに乗っているので、まわりの目が気になることもしばしば……。スポーツモデルには乗りたいけれど、私と同じようにあまりそれをアピールしたくない方もいるのでは?そんな方たちにノートe-POWER AUTECH SPORTS SPECはぴったり。走行性能はいかにもスポーツモデルなのに、シックなデザインのおかげでとても上品に見える。

車の新しい未来を予感させるリーフ

日産 リーフ[日産オールラインナップ試乗会]
日産 リーフ[日産オールラインナップ試乗会]
日産オールラインナップ試乗会 GT-R

最後に日産の電動化の真骨頂、2代目リーフにも試乗した。

すこし前までは“電気自動車”と聞くといかにも特殊な車に思えていたのが、リーフに乗るとその感覚は薄くなっていた。もうEVは“普通の車”になりつつある。

それを実現してきたのは、ほかでもないこのリーフなのだろう。まったくの更地からコツコツ技術を積み上げ、簡単には受け入れられなかった状態から、いまや世界で一番売れているEVへと成長した。

アクセルペダルひとつで発進/加速/停止できるe-pedalを操っていると、車の新しい未来がほんのり見えてくる気がする。まだまだ充電インフラの整備や発電時のCO2削減といった課題はあるかもしれないけれど、新しい車が生まれて成長していくことには無条件にワクワクしてしまう。

これから私たちと同世代、そしてもっと若い世代に向けて、車はどんな形になっても楽しみや喜びを与えてくれる存在であってほしいな、と思った。

日産最強のスポーツカーGT-R NISMO

日産 GT-R NISMO[日産オールラインナップ試乗会]
日産 GT-R NISMOに乗れてウレシイ![日産オールラインナップ試乗会]

最新技術にたっぷり触れたあと、わがままを言って日産最強のスポーツカーGT-R NISMOにも乗せてもらった。轟くようなエンジンの咆哮と空を飛べそうな加速感、大きな体に似合わない俊敏なハンドリング……。あまりに楽しすぎて車を返却するのが惜しくなる。

近年では、自動運転などのイメージが強い日産だが、こんなモンスターのようなスポーツカーも手がけ続けている。日産は“人と車がつながる”ことに対して、あらゆる方向から貪欲に研究開発しているのだろうな、としみじみと実感。様々な車に触れて、これからの日産がますます楽しみになった一日だった。

[TEXT:伊藤 梓/PHOTO:和田 清志]

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