「平和の大切さ 訴え続ける」 慰霊式に450人参列 殉難児童生徒と教員追悼

 長崎原爆で犠牲となった児童生徒と教員を追悼する慰霊式が3日、長崎市平野町の市平和会館であり、参列した450人が祈りをささげた。

 慰霊式は県内の校長会や教職員組合などが1982年8月3日、同館前に「原爆殉難教え子と教師の像」を建立したことをきっかけに、像の維持委員会が毎年開いている。
 参列者は、長崎に原爆が投下された午前11時2分に黙とう。児童生徒を代表し、市立山里小5年の林里奈さん(10)は「原爆投下から長い年月がたったが、戦争はなくなっていない」、同6年の原野悠大君(12)が「仲間と共に手を取り合い、戦争の愚かさと平和の大切さを訴え続ける」と誓った。
 原爆を経験した元教員を代表し、慰霊の言葉を述べた杉尾祐橘(ゆうきつ)さん(80)=小江原4丁目=は、被爆当時7歳。爆心地から2・8キロの片淵2丁目にあった自宅で被爆した。「夕焼けの空を見るたびに、原子雲の下で見た太陽を思い出す」と語り、「過去に起きた戦争の悲劇、悲惨な結果をもたらした原爆投下の事実を忘れることなく、二度と戦争を起こさないという固い決意を持たなければ」と訴えた。
 犠牲となった児童生徒、教員のための折り鶴が奉献され、参列者は追悼の意を込めてそれぞれ献花した。

犠牲者へ追悼の意を込めて献花する生徒=長崎市平和会館

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