キリスト像 傷つけられる? 世界遺産集落の教会

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 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になっている五島市の久賀島で4月下旬、カトリック五輪教会のキリスト像が何者かに傷つけられた可能性があることが、3日までに分かった。
 久賀島は全域が潜伏キリシタン遺産の構成資産。五輪教会は1985年に建設された新しい聖堂で、地元信徒が管理し月1回ミサが開かれているが、常駐する人はいない。2軒隣に観光客が多く訪れる旧五輪教会堂(1881年建設、国指定重要文化財)がある。
 信徒の男性(76)が4月下旬の夕方、戸締まりをしようと五輪教会を訪れた際、祭壇内部にあるキリスト像のいばらの冠のとげが数本折れているのに気付いた。破片は像の下に置かれた鉢植え周辺に落ちていた。鉢植えは動かされた形跡があり、立ち入りが禁止されている祭壇内に何者かが入った可能性がある。
 折れた部分は男性らが接着剤で修復した。その後、教会は日中でも信徒らが使用する時以外は施錠している。男性は「開かれた教会として誰でも入れるようにしていたが残念。私たちの祈りの場であり、何とも言えない悲しさがある」と話した。警察に被害届は出していない。
 潜伏キリシタン遺産では、マナーが悪い観光客らが教会など祈りの場を乱すことが懸念されている。旧五輪教会堂を管理する五島市は「来訪者が今後、教会堂で勝手に物に触れたり壊したりすることがないよう、ガイド団体などに見守りを徹底するよう通知を出した」としている。

五輪教会の祭壇にまつられたキリスト像。頭部の冠のとげが数本折られていた(五島市提供)