【高校野球】夏の甲子園出場校出身選手はパ・リーグに何人在籍? 全選手をリストアップ

花巻東OBの西武・菊池雄星【写真:荒川祐史】

史上最多の56校が出場する100回大会

 第100回全国高校野球選手権記念大会が、5日から甲子園球場で開催される。今大会は第100回記念大会ということもあり、史上最多の56校が出場する。激戦区とされる県からは2つの代表校が切符を勝ち取る形となったため、例年とはやや趣が異なる大会ともなってくるかもしれない。

 そこで、今回の夏の甲子園に出場する全56校のOBたちの中から、現在選手としてパ・リーグの球団に在籍している選手たちをリストアップ。大まかに6つの地区に分けて紹介するとともに、とりわけ存在感を放っている高校について言及していきたい。

【北海道・東北】
<北北海道:旭川大>
なし

<南北海道:北照>
吉田雄人外野手(オリックス)
齋藤綱記投手(オリックス)

<青森:八戸学院光星>
田村龍弘捕手(ロッテ)
田城飛翔外野手(ソフトバンク)

<秋田:金足農業>
なし

<岩手:花巻東>
菊池雄星投手(西武)
岸里亮佑外野手(日本ハム)
千葉耕太投手(楽天)

<宮城:仙台育英>
上林誠知外野手(ソフトバンク)
佐藤世那投手(オリックス)
平沢大河内野手(ロッテ)
西巻賢二内野手(楽天)

<山形:羽黒高校>
なし

<福島:聖光学院>
横山貴明投手(楽天)
園部聡内野手(オリックス)
八百板卓丸外野手(楽天)

 東北勢では多くの常連校が出場を決めたこともあり、菊池、田村、上林といったチームの主力を張る選手たちがリストに名を連ねている。仙台育英出身の4選手はいずれも高校時代からその才能が注目されていた逸材で、今季は上林選手に続いて平沢選手も若くしてレギュラーの座をつかみつつある。高校時代に東北勢初の全国制覇まであと一歩に迫った際のエースだった佐藤投手、高卒新人ながら早くも1軍デビューを果たしている西巻と共に、今後より一層の活躍が期待されるところだ。

名門・横浜には投打の主力が多数在籍

【関東】
<茨城:土浦日大>
なし

<栃木:作新学院>
岡田幸文外野手(ロッテ)
石井一成内野手(日本ハム)
今井達也投手(西武)

<群馬:前橋育英>
高橋光成投手(西武)
神戸文也投手(オリックス)

<北埼玉:花咲徳栄>
根元俊一内野手(ロッテ)
若月健矢捕手(オリックス)
愛斗外野手(西武)
岡崎大輔内野手(オリックス)
西川愛也内野手(西武)

<南埼玉:浦和学院>
豊田拓矢投手(西武)
坂本一将内野手(オリックス)
榊原翼投手(オリックス)

<東千葉:木更津総合>
なし

<西千葉:中央学院>
なし

<東東京:二松学舎大付>
なし

<西東京:日大三>
関谷亮太投手(ロッテ)
吉田裕太捕手(ロッテ)
山崎福也投手(オリックス)
横尾俊建内野手(日本ハム)

<北神奈川:慶應高校>
白村明弘投手(日本ハム)

<南神奈川:横浜高校>
涌井秀章投手(ロッテ)
高濱卓也内野手(ロッテ)
近藤健介捕手(日本ハム)
淺間大基外野手(日本ハム)
高濱祐仁内野手(日本ハム)
藤平尚真投手(楽天)
増田珠内野手(ソフトバンク)

<山梨:山梨学院>
明石健志内野手(ソフトバンク)

 この中ではやはり、日本ハム・近藤やロッテ・涌井をはじめ7人の現役パ・リーグ選手を輩出している横浜高校の充実ぶりが目を引くところ。しかし、全国屈指の伝統校に次ぐ5選手を送り出している花咲徳栄高校も、近年の躍進がそのままドラフト結果に反映されつつある格好だ。若月や西武の若手2人のように今後の飛躍に期待の持てる選手も多く存在しており、今後はプロでも多くの成功者を輩出していく新たな伝統校のひとつとなるかもしれない。

 また、春夏通じて3度の全国優勝を経験している日大三高も、所属するロッテでたびたび同学年バッテリーを組んでいる関谷と吉田を含む4名を輩出。前橋育英と作新学院ではそれぞれ甲子園で優勝投手となった高橋光と今井が同じ西武へと入団を果たしており、若き両右腕の今後の活躍にも期待が集まるところだ。

【北陸・中部】
<新潟:中越>
渡邉雄大投手(ソフトバンク)

<長野:佐久長聖>
なし

<富山:高岡商業>
なし

<石川:星稜>
島内宏明外野手(楽天)
森山恵佑外野手(日本ハム)
岩下大輝投手(ロッテ)

<福井:敦賀気比>
山田修義投手(オリックス)
吉田正尚外野手(オリックス)
玉村祐典投手(西武)
平沼翔太内野手(日本ハム)
山崎颯一郎投手(オリックス)

<静岡:常葉菊川>
なし

<東愛知:愛産大三河>
なし

<西愛知:愛工大名電>
十亀剣投手(西武)
谷口雄也外野手(日本ハム)

<岐阜:大垣日大>
なし

 圧倒的な打撃力を武器に2015年の甲子園を制した敦賀気比が、近年の勢いそのままに5人の選手をパ・リーグへと送り出している。当時の優勝投手だった平沼はプロでは打撃センスを買われて内野手としてプレーしており、今季は20歳の若さで1軍でスタメン出場を果たすなど、着実な成長ぶりを垣間見せている。

 JR東日本での活躍によってドラフト1位指名を手繰り寄せた十亀投手は愛工大名電出身。2005年にはセンバツで優勝を経験しているが、当時はエースではなく控え投手だった。星稜高校では東北楽天の主力として活躍を続ける島内に加え、2014年に9回に8点ビハインドから逆転で甲子園出場を決めた時のエースだった岩下も怪我を乗り越え今季プロ初登板を果たしており、現在1軍定着に向けてアピールを続けている最中だ。

中村、中田、浅村、森らが在籍した大阪桐蔭

【近畿】

<滋賀:近江>
なし

<三重:白山>
なし

<京都:龍谷大平安>
炭谷銀仁朗捕手(西武)
酒居知史投手(ロッテ)

<北大阪:大阪桐蔭>
中村剛也内野手(西武)
中田翔内野手(日本ハム)
岡田雅利捕手(西武)
浅村栄斗内野手(西武)
江村直也捕手(ロッテ)
森友哉捕手(西武)
香月一也内野手(ロッテ)
高山優希投手(日本ハム)
澤田圭佑投手(オリックス)
山足達也内野手(オリックス)

<南大阪:近大付属>
なし

<東兵庫:報徳学園>
山崎勝己捕手(オリックス)
大谷智久投手(ロッテ)
田村伊知郎投手(西武)

<西兵庫:明石商業>
なし

<奈良:奈良大附属>
なし

<和歌山:智弁和歌山>
西川遥輝外野手(日本ハム)

 近年の高校野球界を席巻している大阪桐蔭が、全国を見渡しても最多となる10人のパ・リーグ選手を輩出し、改めてその存在感を示している。西武が誇る「カルテット」をはじめ、日本ハムの4番を務める中田や、今季オリックスで中継ぎとして活躍を見せていた澤田など選手の質も粒ぞろい。西の横綱としての圧倒的な実績は、やはり伊達ではないようだ。

 最激戦区と名高い近畿には全国的な伝統校も数多く存在しており、龍谷大平安、報徳学園、智弁和歌山といった優勝経験校が今大会にも出場を果たしている。それぞれ炭谷、大谷、西川とチームの主力として活躍する選手たちをプロに送り出しており、いずれも名門としての確かな存在感を放っていると形容してよさそうだ。

【中国・四国】

<鳥取:鳥取城北>
藤原良平投手(西武)

<岡山:創志学園>
難波侑平内野手(日本ハム)

<島根:益田東>
なし

<広島:広陵>
有原航平投手(日本ハム)
吉持亮汰内野手(楽天)
上原健太投手(日本ハム)
福田周平内野手(オリックス)

<山口:下関国際>
宮崎敦次投手(ロッテ)

<香川:丸亀城西>
なし

<徳島:鳴門>
なし

<愛媛:済美>
安樂智大投手(楽天)

<高知:高知商>
なし

 甲子園でもたびたび印象的な活躍を披露している広陵高校が、中国・四国では最多となる4人の現役選手をパ・リーグに送り出している。2015年の新人王に輝いた有原や、今季は新人ながらチームの主力として活躍している福田といった実力者を輩出しており、ここでも長きにわたって広島の高校野球界をけん引している理由のひとつを感じさせている。

 済美高校が2013年にセンバツで準優勝を果たした時のエースである安樂は、プロでも将来のエース候補として期待される存在のひとり。ほか、鳥取城北、創志学園、下関国際といった高校も、それぞれ1人ずつパ・リーグ戦士を輩出している。

【九州・沖縄】
<北福岡:折尾愛真>
なし

<南福岡:沖学園>
久保裕也投手(楽天)

<佐賀:佐賀商業>
田中豊樹投手(日本ハム)

<長崎:創成館>
なし

<熊本:東海大星翔>
なし

<大分:藤蔭>
なし

<宮崎:日南学園>
寺原隼人投手(ソフトバンク)

<鹿児島:鹿児島実業>
本多雄一内野手(ソフトバンク)
野田昇吾投手(西武)

<沖縄:興南高校>
島袋洋奨投手(ソフトバンク)
大城滉二内野手(オリックス)
高良一輝投手(日本ハム)
(島井寛仁外野手(楽天)※2年春から西原高校へ編入)

 久保の母校・沖学園は今年、悲願の甲子園初出場を決めている。故障を乗り越えて都の杜で復活を果たしつつあるプロ16年目の大ベテランは、夢舞台に臨む母校をどのような思いで見つめるのだろうか。

 名門の日南学園と佐賀商業も1人ずつ現役選手を輩出しているが、それぞれ高校時代にも快速球で甲子園を沸かせた34歳のベテラン・寺原投手と、24歳とまだまだこれからの若手右腕・田中豊投手という対照的な2人となっているのが興味深いところだ。同じく古豪の鹿児島実業は元盗塁王の本多と、西武で中継ぎ左腕として活躍中の野田という主力級の選手2人を輩出し、今なお球界に確かな存在感を示している。

 2010年に甲子園春夏連覇を果たして旋風を巻き起こした興南高校は、その時の主力でもある島袋と大城を含む3名の出身選手がパ・リーグに籍を置いている。24歳の高良もアマチュア時代に高い評価を受けていた若手右腕であり、オリックスの主力に定着しつつある大城、支配下への返り咲きを目指す島袋と共に今後が楽しみな存在だ。

 甲子園大会で優勝投手となった選手や、大舞台で出色の活躍を見せた選手たちは、「甲子園のヒーロー」として多くの人々の記憶に残り続ける。記念すべき第100回大会でも、夢の舞台で一躍名を挙げてプロへの扉をこじ開ける選手たちは現れるだろうか。総勢56校の代表校がしのぎを削る今大会は、上記のリストに名を連ねた先達たちのように、後にプロ入りを果たすであろう逸材たちの勇躍を目にするための大きな機会ともなってきそうだ。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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