戦争の苦しさ 感情豊かに 長崎で「水の会」が朗読会

 長崎と東京を拠点に活動する朗読グループ「水の会」は4日、長崎市内で平和を祈る朗読会「マリアの丘から愛をこめて」を開き、来場者約150人が平和の尊さをかみしめた。
 長崎原爆の日を前に毎年開き、11回目。今回は長崎と東京のメンバーら約35人が出演し、ピアノ演奏や合唱に合わせて朗読を披露した。
 長崎のメンバー14人は、被爆詩人、福田須磨子の原爆体験記「われなお生きてあり」や詩などを基に朗読。原爆の後遺症と向き合い続ける葛藤を感情豊かに表現した。
 東京の10人は、戦争中に子ども時代を過ごした著名人のインタビューをまとめた書籍を基に朗読し、戦争のむごさを訴えた。来場者は時折涙を拭いながらじっと聞き入っていた。
 長崎市青山町の下村早苗さん(71)は「戦争の苦しさや平和の大切さを改めて感じた」と話した。

平和への祈りを込めて朗読するメンバー=長崎市若草町、カトリック城山教会

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