LGBT差別発言に抗議 渋谷、当事者らデモ

【時代の正体取材班=田崎 基】同性カップルを念頭に「生産性がない」と月刊誌に寄稿し、LGBTなど性的少数者への行政支援を疑問視した自民党の杉田水脈衆院議員に対する抗議行動が5日、東京・渋谷駅前で行われた。集まった市民らは「差別をやめろ」と声を上げ、杉田氏に謝罪と撤回、議員辞職を求めた。

 「生産性で差別をするな」と書かれたプラカードを手にしていた男性(43)は「優生思想につながる恐ろしい考え方。LGBTだけの問題ではない」と憤った。

 街宣車の上では当事者らがマイクを握った。レズビアンの鈴木南十星(なとせ)さん(22)は性の多様性を象徴する6色のレインボーフラッグを手に「黙っていては、もっと恐ろしいことになる。『同性愛は趣味だ』などと言われどれだけ傷ついたか。杉田さんは『差別はない』と言ったが、本当になかったら私はこんなところに立ってない」と張り上げた。

 鈴木さんは「女の子のことが好きだ」と10代で気付いた自身の経験を振り返り、「いまも10代の子たちが同じ悩みを持っている。日本ってまだそんな国なんだ。私たちは闘わなければいけない。社会は変えられる。そう信じてここに立っている」と街頭に向けて訴えた。

 ツイッターなどで集会を呼びかけた平野太一さん(33)は「見過ごしていいはずがない主張で、はっきりと声を上げなければいけない。いまだに撤回も謝罪もしておらず、こんなことは許されない」と話していた。

自民党の杉田衆院議員に対し、謝罪と撤回、議員辞職を求めて声を上げるデモの参加者ら=5日午後、東京・渋谷駅前

© 株式会社神奈川新聞社