貸本漫画「読みふけった」 県立図書館でシンポ、作家ら3人語り合う

シンポジウムで貸本漫画の魅力などについて語り合う梶尾真治さん(右)、伊藤比呂美さん(中央)、橋本博さん=5日、熊本市

 日本の漫画文化の基礎をつくり上げた貸本漫画に関するシンポジウムが5日、熊本市中央区の県立図書館であった。熊本を拠点に活躍する作家の梶尾真治さん(70)と詩人の伊藤比呂美さん(62)が、合志マンガミュージアムの橋本博館長(69)とともに漫画の魅力を語り合った。

 くまもと文学・歴史館で開催中の企画展「貸本漫画の遺産」(9月17日まで)の一環。約90人が聞いた。

 橋本さんによると、貸本漫画は、一般家庭で漫画を買う余裕が無かった戦後まもない時期から少年らに支持され、娯楽の多様化などで1960年代をピークに衰退。貸本屋でしか借りたり、買ったりできない時期もあり、多くの漫画家が貸本漫画を発表の場にした。

 シンポでは、漫画にまつわる自らのエピソードを披露。幼少期に病気がちだった梶尾さんは漫画を読んで育った。小学校高学年から伯父が営む熊本市の貸本屋に通い、収集もしたという。「貸本漫画にはいろんなことが描かれており、読みふけっていた」と振り返った。高校生のころ、漫画家志望だったという伊藤さんは「漫画には絵と言葉と音がある。人間の五感の全てを使って情報を得ることができる」と話した。(中原功一朗)

(2018年8月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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