潜伏キリシタンの歴史解説 歴文博で特集展

 長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館2階常設展示室で特集展「潜伏キリシタンと明治維新」が開かれている。同館の所蔵資料を中心に約25点展示し、禁教期から信徒発見、浦上四番崩れなどの潜伏キリシタンの歴史を解説している。
 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録と明治維新150年を記念して特集。
 前半には、禁教期のキリシタンが受けた拷問や殉教の様子を描いた文献、禁教令を伝えた高札といった教科書などでなじみのある資料が並ぶ。棄教したポルトガル人宣教師・フェレイラが作成したとされるキリスト教を批判した「顕偽録(けんぎろく)」の写しや、棄教者のその後を追跡調査した江戸中期の「八幡町邪宗門ころび宗旨改帳(しゅうしあらためちょう)」などもあり、キリスト教弾圧の生々しい実態を伝える。
 後半では、奉行所や県の公文書などの資料から、幕末維新期の信徒発見から浦上四番崩れの流れをひもといている。同館の担当者は「長崎がいかにキリスト教と深い関わりを持っていたのかを知ってほしい」と話している。
 9月2日まで(8月20日休館)。常設展の観覧料600円(小中高生300円、県内の小中学生は無料)が必要。

潜伏キリシタンの歴史を伝える特集展=長崎市、長崎歴史文化博物館

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