外輪山斜面に巨大扇 ことしも無事完成 阿蘇市

北外輪山の山肌に浮かび上がった巨大な日の丸模様の扇。左は熊本地震で崩落した斜面=阿蘇市

 阿蘇市狩尾の北外輪山斜面の原野に5日、日の丸模様の巨大な扇がくっきりと浮かび上がった。「扇切り」と呼ばれる伝統行事で、継承する地区住民たちが早朝から草の刈り取りに励んだ。

 扇は幅約70メートル、縦約50メートル。明治期末に牛馬の安全や田畑の豊作を祈って始まったとされる。戦中・戦後に中断されたが、約40年前に復活。1997年からは地元有志でつくる保存会が担う。

 この日は保存会の21人が「扇平[おうぎびら]」と呼ばれる、標高750メートル、45~60度の急斜面で作業。刈り取ったススキやササを均等に敷き詰め、扇を描いた。

 狩尾地区は熊本地震で崩落や亀裂が生じ、今春2年ぶりに野焼きを実施。鎌倉昭幸会長(63)は「野焼きを断念した名残か、足元がやや不安定。草も伸びて大変な作業だったが、若手5人が加わり、無事に完成できた」と話した。

 扇は空気が澄んでいると阿蘇谷一帯から眺めることができ、冬は積雪で白く浮かび上がる光景も楽しめる。(中尾有希)

(2018年8月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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