自治体の働き方改革②:高松市が一部業務にAIを導入

高松市は、事務処理時間短縮の目的でAIを使ったシステムを導入すると発表した。2019年度の市内保育施設の入所選考から、本システムを導入し、入所の優先順位を決定する事務処理業務に活用する。これにより、従来約600時間かかっていた作業を数秒で終わらせることができる。優先順位決定にかかる時間が短縮化され、選考結果を早く通知できるようになり、入所希望者の復職に向けた準備が容易になるという。(オルタナ編集部=中島洋樹)

同市では、市内に約100カ所の公立・私立の保育施設があり、新規入所希望者が毎年約2300人以上になる。選考から入所決定までで担当職員にかかる負担や、申し込み希望者への結果通知に時間を要することが課題となっていた。

2018年度の入所選考では、点数化した入所希望の並び替えに担当職員4人が約600時間を要していた。2019年1~2月に実施予定の2019年度入所選考でAIを用いることにより、数秒で終わらせることができる。

これにより、担当職員の負担軽減で職員の働き方改革につながることが期待されている。高松市役所情報政策課の平井賢太郎室長補佐は「特に選考期間中の約2~3カ月は、子ども園運営課の職員の時間外労働が多かった。AIの導入で、時間外労働を削減し、担当職員の負担を軽減することができるだろう」と話し、この期間の時間外労働削減を目指すとしている。

また、入所希望者への選考結果通知は従来2月末になっていたが、AI導入により、10日間程度短縮することが可能になるという。短縮により、入所希望者の復職や産休、育休の延長も含めた早期判断が可能になるなど、住民サービス向上が可能となる。

今回のAI導入は総務省の公募選考に通過したことから実現した。

平井課長補佐は、「今回の保育施設の入所選考業務の一部をAIで行った結果を踏まえつつ、他の業務に対するAIの活用について検討していきたい」としている。AIを活用した働き方改革が、自治体でも始まろうとしている。

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