トランプ夫妻論争にイラン強硬派前大統領も“参戦”

By 太田清

アハマディネジャド前大統領=2017年4月5日、テヘラン(共同)

 激しい対米批判で知られるイラン保守強硬派のアハマディネジャド前大統領は6日までに、トランプ米大統領がプロバスケットボールNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ選手を非難したことに触れ「トランプさん、だれもが、特に一国の大統領はすべての人を愛さなくてはならない。人々の間の差異を際立たせてはいけない」と自身のツイッターに書き込んだ。英紙デーリー・メール(電子版)が伝えた。

 

 ジェームズ選手を巡っては、トランプ大統領の批判に対し、メラニア夫人が逆に選手を擁護する声明を出すなど話題になっていた。アハマディネジャド氏はこれまでもツイッターでトランプ大統領の政策を批判してきたことはあるものの、イランと直接関係のないトランプ氏の話題に触れることは珍しい。 

 ジェームズ選手がCNNテレビのインタビューでトランプ氏を「米国内の分断を深めている」と非難したことに対し、トランプ氏は「レブロン・ジェームズが、テレビ界で最も頭の悪い(CNN司会者)ドン・レモン氏のインタビューを受けた。レブロンを賢く見せようとしたが、簡単ではない」とツイッターに書き込んだ。インタビューでのジェームズ選手の発言に憤慨したものとみられる。一方、メラニア夫人は報道官の声明を通じ、ジェームズ選手は「次世代のために良い仕事をしていると思う」とたたえるなど、夫のトランプ氏と一線を画す発言をしていた。 

 アハマディネジャド氏はツイッターで「私はジェームズ、(バスケットボールの元名選手)マイケル・ジョーダン、(イスラム教に改宗した元選手)マクムード・アブドゥル=ラウーフも愛している。皆の幸運を願っている」とも書き込んだ。 

 ジェームズ選手はNBAで最優秀選手(MVP)に4度選ばれたスター。慈善活動などにも積極的で、これまでもトランプ氏に批判的な態度を取っていることで知られる。 (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社