広島走るセ後半戦…ヤクルト打線好調、虎は自慢の投手陣苦戦、巨人は…

金本監督、緒方監督、小川監督(左から)【写真:荒川祐史】

広島と2位巨人の差は9.5ゲームまで広がる

 熱戦が続く2018年のプロ野球は、いよいよ終盤戦に差し掛かる。セ・リーグは3連覇を目指す広島が首位をひた走り、2位以下との差をじわりじわりと広げてきている。パ・リーグは開幕ダッシュで首位に立った西武が浮き沈みこそありながらも、ここまで首位をキープしている。

 オールスターブレイクが明け、後半戦が再開したのが7月16日。そこから3週間が経過し、各球団が6カードずつを消化した。果たして、この3週間で大きくチーム状態が好転したチーム、それとは逆に後半戦に入って苦しい戦いを強いられているのはどのチームか。セ・パ両リーグ各球団の後半戦の成績を見てみよう。

 今回はセ・リーグだ。

【前半戦終了時点】
1広島 43勝32敗1分
2巨人 40勝41敗1分 6.0
3阪神 35勝38敗1分 1.0
4DeNA 36勝40敗2分 0.5
5中日 37勝43敗1分 1.0
6ヤクルト 34勝42敗1分 1.0

【8月5日終了時点】
→1広島 55勝37敗1分(12勝5敗0分)
→2巨人 49勝50敗1分 9.5(9勝9敗0分)
↑3ヤクルト 44勝48敗1分 1.5(10勝6敗0分)
↓4阪神 41勝47敗1分 1.0(6勝9敗0分)
→5中日 44勝53敗1分 1.5(7勝10敗0分)
↓6DeNA 42勝51敗2分 0.0(6勝11敗0分)

 後半戦に入っても広島の強さが際立っている。17試合を戦って12勝5敗と、早くも7個の貯金を積み増して独走状態。2位以下の5球団がどこも決め手に欠き、前半戦終了時点で6ゲームだった2位・巨人との差は、気付けば9.5ゲームまで広がった。優勝マジックの点灯も目前となっており、3年連続リーグ優勝へ着実に前進していると言える。

 ヤクルトも10勝6敗と4つの貯金を作り、前半戦終了時点の最下位からAクラスの3位にまで浮上した。山田哲人が12試合連続打点をあげるなど打線を牽引する。巨人は後半戦9勝9敗の5割。波に乗れないのは阪神、中日、DeNAの3球団。特にDeNAは後半戦で借金5となり、前半戦終了時点の4位から、中日とゲーム差なしの最下位に転落した。

各球団の前半戦と後半戦の投打成績の差は…

○広島
前半戦:チーム打率.261 チーム防御率4.08
後半戦:チーム打率.276 チーム防御率3.98

○巨人
前半戦:チーム打率.260 チーム防御率3.89
後半戦:チーム打率.262 チーム防御率3.62

○ヤクルト
前半戦:チーム打率.252 チーム防御率4.43
後半戦:チーム打率.291 チーム防御率4.32

○阪神
前半戦:チーム打率.243 チーム防御率3.72
後半戦:チーム打率.262 チーム防御率5.41

○中日
前半戦:チーム打率.259 チーム防御率4.42
後半戦:チーム打率.273 チーム防御率4.10

○DeNA
前半戦:チーム打率.248 チーム防御率3.94
後半戦:チーム打率.242 チーム防御率5.32

 広島は前半戦と投打の成績に大きな変化はないが、投打ともにリーグ2位の数字を残しており、やはりバランスが最も整っていると言える。巨人は後半戦に入ってチーム防御率がリーグトップ。特に、ここまで4試合に先発してわずか2失点、防御率0.62と好投を続けるメルセデスの存在が大きい。マシソンが故障で離脱し、リリーフ陣に不安を残すだけに、打線の奮起が求められる。

 ヤクルトは後半戦に入ってチーム打率.291と打線が好調。主砲の山田とバレンティンがともに26本塁打と本塁打を量産している。前半戦と変わらず4点台前半の防御率の投手陣が、今後のポイントとなりそうだ。中日は後半戦の打率.273、防御率4.10ともに前半戦より改善。だが、チャンスで1本が出ないなど、接戦で勝ちきれないような試合が多くなっている。

 苦しい戦いが続いているのが阪神とDeNA。阪神は前半戦の課題とされていた打線は上向き、チーム打率は.262となっているが、逆に武器であったはずの投手陣が苦戦している。前半戦はリーグトップの3.72だったチーム防御率は、後半戦はリーグワーストの5.41。これでは勝利を重ねていくのは苦しいと言わざるを得ない。DeNAも防御率は阪神に次ぐ5.32と苦しんでいる。

 広島が首位を快走するセ・リーグ。果たして、広島の独走に待ったをかける球団は現れるのか。そして団子状態となっている2位以下の混戦の中で、クライマックスシリーズ進出を掴み取るのは、一体どこの球団になるだろう。(Full-Count編集部)

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