マクラーレンF1首脳「リカルドとの契約まであと一歩だった」

 マクラーレンF1チームCEOのザック・ブラウンは、チームは2019年に向けて、ダニエル・リカルドとの契約締結まであとわずかなところまで来ていたと主張している。

 6月下旬のフランスGPで、リカルドがレッドブル・レーシングからマクラーレンに移籍する可能性があるとのうわさが浮上した。しかしその後はレッドブル残留の見込みが高まったとの見方が強まり、マクラーレンにまつわるうわさは沈静化していった。

 しかし今週、リカルドはルノーへの移籍を発表。モーターレーシング界に衝撃をもたらした。

「(リカルドの行き先として)我々とルノーの可能性はほぼ互角だった」とブラウンはRACER magazineに述べている。

「我々がもっと競争力を発揮できていれば、可能性は高まっていただろうと思う」

「何度か会って話をしていたし、我々はダニエルの大ファンなのだ。彼は人間としても、レーシングドライバーとしてもすばらしい」

「どれだけ契約間近であったかは、ダニエルのみが知ることだ。その問いに答えられるのはダニエルだけだ」

 ブラウンはリカルドが5年間在籍したレッドブルを離脱することについては、まったく驚いてはいないという。

「(チームを)離れたいという思いが強かったのだと思う」とブラウンは推測している。

■リカルドのルノー移籍は2019年F1ドライバー市場に影響

 メルセデスがルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスとの契約を延長するなど、2019年に向けたドライバー市場には大きな動きはないかのようにみえたが、リカルドの決断により、状況は大きく変わってきた。

 思いがけずに空きが出たレッドブルのシートは、ドライバーたちにとって、来シーズンのF1グリッドのなかで最も魅力的なターゲットのひとつだと言える。最有力候補はレッドブルからルノーにレンタル中のカルロス・サインツJr.だが、彼に関しては2019年にはマクラーレンに移籍するという説もある。

 しかしブラウンは、いまやマクラーレンはサインツをメインターゲットにしているのかとの質問に対しては、「必ずしもそういうわけではない」と答えた。また、マクラーレンはリカルドの今回の決断には大きな影響は受けないとも主張している。

「他のいくつかのチームでは、計画が狂うことになっただろうと思う。しかし我々には実行中の計画があり、それはリカルドの動きに何の影響も受けないものだ」

「(金曜日の)ニュースには、何の影響も受けなかったというのが私の意見だ」

 ブラウンは、来季もフェルナンド・アロンソをチームに留めておくことができるという楽観的な考えを示した。

「フェルナンドは自分の脳裏に、何がしたいかという考えを持っているのだと思う。絶対ということはないが、(最近の動きが)フェルナンドの世界を変えることはないだろう」

© 株式会社三栄