鎌倉の死骸はシロナガスクジラの子ども 漂着は全国初

 神奈川県鎌倉市の由比ケ浜海岸で5日、死骸で見つかったクジラは、シロナガスクジラの子どもだったことが6日、国立科学博物館の調査で分かった。シロナガスクジラが国内の海岸に漂着したのは初めてという。

 同館職員が6日朝、現地に足を運び、調査した。

 同館によると、死骸は体長10・52メートルのオスで、ことし生まれた子どもだった。6日に重機を使って砂浜に引き揚げられ、同館が引き取った。同館は「今後、死因調査やDNA研究、回遊経路など、さまざまな調査を行いたい」としている。

 水産研究・教育機構中央水産研究所(横浜市金沢区)の伊藤春香・支援研究員によると、シロナガスクジラは体長25メートルほどになり、確認できる限り、地球上で最大の生物。商業捕鯨で個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されている。外洋で暮らしているため、沿岸にはあまり近づかないという。伊藤支援研究員は「遭遇できる機会はまれ。生態系などの研究対象としても非常に貴重」と指摘した。

シロナガスクジラの子どもと判明した死骸=6日午前10時5分ごろ、由比ケ浜海岸

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