選挙関係者にとってのオリンピック! 4年に一度の「統一地方選挙」がいよいよ!

地方公共団体の議会議員や長の選挙のことを「地方選挙」と呼びます。選挙の期日は、各地方公共団体が独自に期日を決めて執行するのが原則です。しかし、4年に一度、ある特定の時期になると、全国各地の市長選挙や市議会議員選挙、県議会議員選挙などが一斉に行われます。それが「統一地方選挙」と呼ばれる選挙です。全国各地の選挙を同じ時期に行うことで「選挙が行われること」を効率よく有権者に伝えるとともに、選挙に関わる事務作業を効率化させる狙いがあります。

そんな4年に一度の統一地方選挙が来年の4月に予定されています。

1947年、日本国憲法の施行とともにはじまった「統一地方選挙」

統一地方選挙のはじまりは1947年のことでした。

1945年の終戦直後、日本の民主化政策を取っていたGHQ(連合国総司令部)は、日本国憲法が施行される5月3日までに住民の直接選挙による地方自治制度の導入を、日本政府に要求しました。この要請を受け、1947年4月に政府が全国一斉に行ったのが統一地方選のスタートです。

それ以降、統一地方選は任期である約4年ごとに行われ、前回は2015年に行われた「第18回統一地方選挙」です。

「統一」して行い続けるメリットは2つ

全国各地で行われる地方選をまとめるメリットは主に2つ。

1つ目は、期日を統一することで全国的な関心事として新聞・テレビ、インターネット等でも取り上げられやすくなり、地方自治への関心を高めることができます。2つ目は、全国で一斉に選挙を実施することで、選挙事務の円滑な執行や費用軽減が期待できることです。

「統一地方選挙」と言いながらも現在の統一率は27%

第1回目には、全国でほぼ一斉に行われた「統一地方選挙」ですが、その「統一率」は回を増すごとに減少しています。

その理由は、知事や市区町村長の辞任、議会の解散、そして市町村の合併などです。例えば、東京都知事選は前回は2016年に行われていますが、これは2012年に石原慎太郎元都知事が任期途中で辞任したことで、統一地方選挙と日程がズレるようになりました。

第1回目は100%だった統一率は、1953年からはじまった「昭和の(市区町村の)大合併」によって合併したタイミングでその自治体の選挙が行われたために統一率が50%を切り、その後も任期途中での首長の辞任・議会の解散などで下降。そして2005年前後の「平成の大合併」を経た統一地方選挙では30%を切り、2011年には過去最低の27.4%、直近の2015年に行われた統一地方選の統一率は、27.5%となってしまいました。

なお、沖縄県議会議員選挙は1972年に沖縄県が日本に復帰した関係で、初回から統一地方選挙とは異なる日程で行われています。

前回の統一選の議員倍率は全国で1.25倍。11%の自治体で無投票

史上2番目に統一率が低かった前回の第18回統一地方選挙。全国の地方自治体のうち、984の選挙(補欠選挙を除く)が2015年4月12日(政令指定都市の市長および市議、県議選)と26日(一般市長および市議選、東京都の特別区長および区議選、町村長および町村議員選)に行われました。

市長や県知事などの「長」の改選は全国で237人となり、これに対して452人が立候補しました。同様に、市議会議員や県議会議議員などの「議員」の改選定数は全国で15,257議席となり、これに対して19,098人が立候補しました。

合計値だけを見ると、「議員」の倍率は1.25倍ですが、全体の選挙区の11.4%では定数と同数または定数以下となり、「無投票」となっています。

次回の統一地方選挙は4月初旬か?

通常、選挙の日程は統一地方選前年の11月頃に決まるため、まだ確定していませんが、第18回で当選した地方自治体の長・議員の任期(2019年5月中旬)から考えると、2019年の4月初旬から中旬あたりと考えるのが自然です。なお、2019年5月には天皇陛下の退位と新天皇の即位が予定されているため、通常よりも若干早めの4月の初旬の実施が有力なのではといわれています。

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