アウディジャパン 2018スーパーGT第5戦富士 レースレポート

スーパーGT第5戦、アウディR8 LMSが激走するも入賞を逃す

◆Audi Team Hitotsuyamaは予選5位スタート、6位入賞目前でタイヤトラブルに泣く

◆Team TAISAN は予選15位から着実に順位をあげるも、トラブルによりリタイア

 アウディ ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:斎藤 徹)は、アウディR8 LMS で2018年シーズンのSUPER GTのGT300クラスに参戦する2つのカスタマー(プライベート)チームをサポートしています。8月4日(土)、8月5日(日)、富士スピードウェイ(静岡県1周4,563m)で2018 SUPER GT第5戦となる『FUJI GT 500mile RACE』が開催されました。

 今年のスーパーGT GT300クラスにアウディR8 LMSで参戦するのは、#21 Audi Team Hitotsuyama(アウディ・チーム・ヒトツヤマ)と、#26 Team TAISAN(チーム・タイサン)の2チームです。夏休み期間中の開催となった今大会には、予選、決勝の2日間でのべ6万400人もの観客が来場しました。

 予選、決勝ともに晴天に恵まれました。SUPER GTの予選はQ1、Q2の2回の走行で競われるもので、Q1の上位14台のみがQ2に進出できるノックアウト方式を採用しています。今大会は500マイル(約807km)とシーズンで最長のレースのため、レース全体を5つのスティントに分けて、4度のピットストップが義務付けられていたました。
 
 #26 Team TAISANは、元F1ドライバーでありチームのスーパーバイザーである中野信治選手を3rdドライバーとして起用し、猛暑のなかでのレースをレギュラードライバーの2人と力を合わせ3人で長丁場を走りきる戦略を取りました。

 #21 Audi Team Hitotsuyamaは、リチャード ライアン選手がQ1のタイムアタックを行いました。Q1は1分38秒台になんと19台のマシンがひしめく大接戦の中14位に滑り込みQ2へ進出。そしてQ2にニュータイヤで挑んだ富田竜一郎選手が、残り1周で見事な走りをみせ予選5位のポジションを獲得しました。

 決勝レースは、第1、3,5スティントをライアン選手が、第2、4スティントを富田選手が担当する戦略をとりました。両選手とも猛烈な暑さのなか、コンスタントに走り続け、またチームもピットワークをうまくこなし、スタートからおよそ2時間半後には6位のポジションにつけていました。
 
 最終、第5スティントに向けてライアン選手がピットアウトしたタイミングで、GT500のマシンとの接触をさけコースアウトした瞬間に、#88号車に抜かれ一時は7位に順位を落とすも、ここから猛追が始まり、レース終盤残り5周のタイミングでライアン選手が1コーナーで前を走っていた#88号車のインを差し、見事に6位入賞圏内に返り咲きました。
 
 しかし、その周の13コーナーで、タイヤが突然パンクしてしまい緊急ピットイン。タイヤを交換し、ボディに受けたダメージを応急処置してコースに復帰し完走は果たしましたが、14位と悔しい結果となりました。

 #26 Team TAISANは、予選Q1は、川端伸太朗選手がアタックを担当。Q2進出まで一歩及ばず、15位という結果でした。紙一重でQ2に進出した#21 Audi Team Hitotsuyamaとのタイム差は、なんと0.04秒というものでした。
 
 決勝では第1、4スティントを川端選手、第2、5を山田真之亮選手、真ん中の第3スティントを中野信治選手が担当する戦略でした。第1スティントでいきなりライバルチームにぶつけられてしまうアクシデントにあいながらも、チームは粘り強く走り続け、一時は12位までポジションをアップ。第3スティントを任された中野選手もアウディR8 LMSでは初レースながらもさすがの元F1ドライバーの走りでチームを牽引しました。
 
 その後、第4スティントの川端選手へとドライバー交替し、ニュータイヤに交換してコースへ復帰。しかし4周目の100Rでリアタイヤのトラブルが発生。マシンはピットまで戻ることができず、残念ながらリタイアという結果となりました。

Audi Team Hitotsuyama 一ツ山亮次チーム代表のコメント

「長いレースでしたし、ライバルチームの様子をみながら作戦を進めていました。ライアン選手も富田選手もいい走りをしてくれて、チームもピットインを終えるごとに順位をあげることができたので、戦略に間違いはなかったと思います」

「それだけに今回のタイヤトラブルは想定外でした。次までに早急に対策を進めたいと思います。菅生の前に鈴鹿10時間がありますが、海外から20台ものワークスチームが参戦する予定です。いい機会ですし気持ちを切り替えてベストを尽くしたいと思います」

Audi Team Hitotsuyama リチャード・ライアン選手のコメント

「予選はこれまでにないくらい激戦の状態で、富田選手が素晴らしい仕事をしてくれました。決勝レースでのマシンのフィーリングも悪くありませんでした。第1と3スティントはチームの戦略をしっかりと実行するために無理をしないで、最終は先行車のタイヤの性能が落ちてくるのはわかっていました」

「少しづつ間合いをつめて狙いどおりパスして、あとは差をキープしようと思った瞬間にタイヤ警告灯がついてしまった。とても残念ですが諦めないのが自分の哲学。次もプッシュし続けていきます」

Audi Team Hitotsuyama 富田竜一郎選手のコメント

「とても拮抗した状況にある予選でQ2に進めたのはとてもラッキーでした。今週はレース用のセットアップを進めてきたので、予選には少し不安はあったのですが、自分のイメージした走りができいい結果が出ました」

「決勝のペースも悪くはありませんでしたが、ゴールまでわずか5周をつなぎきれなかったことが、たくさん来てくださったアウディファンに申し訳ない気持ちです。鈴鹿10時間では日本を代表するアウディチームとしてファンのみなさんに喜んでもらえるような結果を出したいと思います」

Team TAISANスーパーバイザー 中野信治選手のコメント

「アウディR8 LMSでは初めてのレースでしたが、バランスは決して悪くありませんしトップ10を狙える性能は十分に感じとることができました」

「ただ、第1スティントでぶつけられてしまったことで、マシンのバランスを崩してしまい今週は流れがありませんでした。レーススティントを経験したことでだいぶマシンに慣れることができました。次回チャンスがあればさらにいい走りをお見せしたいと思います」

Team TAISAN 山田真之亮選手のコメント

「今週は流れがよくありませんでした。他車にぶつけられたダメージやタイヤ選択のミスもあって思うようにラップタイムがあがりませんでした。もう少しいいペースで走ることができるイメージがあっただけにとても残念ですが、次につなげていきます。菅生以降の残りのコースはマシンにとってもぼくにとっても得意なコースばかりなので、自分たちを信じて頑張ります」

Team TAISAN 川端伸太朗選手のコメント

「予選では新スペックのタイヤが投入されて、Q2には進出できませんでしたが上位とも僅差で次戦への可能性を感じています」

「今日は第1スティントでぶつけられた時点で上位進出は難しい状況でしたが、それでも最後まで走り続けたいと思っていたので残念です。原因を追求して次につなげたいです。スーパーGTの次戦菅生はアウディR8 LMSにあったコースなので、上位に食いこめるよう準備を進めます」

 アウディジャパンはAudi Sport customer racingパーツトレーラーを現地に配備して、SUPER GTに参戦するチームを支援しています。専用のトレーラーにボディ、エンジン等レース車検に適合した約2500アイテム、約8000点もの部品を積載し、いかなるレース展開にも対応できるようチームとともに全国のサーキットを転戦します。SUPER GTならびにスーパー耐久シリーズへの参戦チームのサポートを通じて、アウディのサブブランドであるAudi Sportのブランド認知の向上、イメージの強化をはかります。

 スーパーGT第6戦は、9月15日(土)~16日(日)、スポーツランドSUGOにて開催予定です。また、8月25日(土)~8月26日(日)には、初開催となる『鈴鹿10時間耐久』レースが実施されます。Audi Team Hitotsuyamaをはじめ、海外からAudi Sportチームなど4チームが参戦予定です。

© 株式会社三栄