【この人にこのテーマ】〈ファインスチールの課題と展望〉《全国ファインスチール流通協議会・佐渡島克理事長(佐渡島会長)》〝快適な住まい/実現できる素材〟

軽量・高耐震性など特徴をPR

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 全国ファインスチール流通協議会は、建材用亜鉛めっき鋼板の流通業者で組織する。同協議会は、ファインスチールを『亜鉛又は他の金属をメッキした表面処理鋼板及びその鋼板に塗装を施した広義の建材用鋼板』と定義し、屋根・壁材だけでなく内装材を含めた幅広い建築材料の普及活動に取り組んでいる。業界を取り巻く現状や全国ファインスチール流通協議会の課題と展望などについて佐渡島克理事長(佐渡島会長)に話を聞いた。(綾部 翔悟)

――まずは全国ファインスチール流通協議会の概要から。

 「戦後復興に向けた亜鉛鉄板製品の安定供給などを目的に、1947年に東部亜鉛鉄板問屋組合、48年に西部亜鉛鉄板問屋組合が発足。その後、ファインスチールのさらなる普及のため、2組合が2011年に統合し、『全国ファインスチール流通協議会』が誕生した。発足当時は39社(東部20社、西部19社)でスタートした」

全国ファインスチール流通協議会・佐渡島理事長

 「その後、会員各社が精力的に普及活動を行い、現在では北海道から九州まで66社の会員が在籍している。また、全国組織となった当会の活動をさらに発展させるため、16年には東日本・中日本・西日本の3ブロックに分けた。今後は各ブロック会活動の充実化を図る方針だ。そのため、本当の活動はこれからであり、ファインスチールの良さ・特徴をアピールし、普及率増につながる活動をより一層尽力する」

――2組合統合後の協議会の活動内容について。

 「12年には日本女子サッカーリーグの公式スポンサーとなり『なでしこ』の知名度を生かしてファインスチールの認知度向上に努めた。また、ポスターやDVDの作成、講演会などを実施して有意義な協議会を実現すべくさまざまな取り組みを行っている。そのほか、当協会のホームページの充実を図るべく、ファインスチールの特徴や動画、施工写真などを紹介している。今後も最新情報を随時更新していく」

――普及活動の一つとして、展示会にも積極的に出展している。

迅速施工や高デザイン性も/展示会、研修会など活発に

 「ファインスチールの普及活動として、『エコプロダクツ』や、仙台・名古屋・大阪・九州といった各地の建材展示会に出展し、特長などをPRしている。展示会ではファインスチールのモデルを使った耐震性の実演や、遮熱鋼板の性能の説明などを行っている。ボールペンやパンフレット配布用不織布バックなどのノベルティも用意し、ファインスチールに馴染みのない一般消費者にもアピールすることで、広告・啓蒙活動・認知度向上に注力している。直近では10月11~13日『あいち住まいるフェア2018』、2019年1月12~13日『宮城・仙台住宅リフォームフェア2019』に出展予定」

――ファインスチールの強みとは。

 「他製品と比較して、ファインスチールは軽量で地震に強い。また、縦葺き・横葺きで、ある程度の施工面積を確保でき、作業効率が向上する。昨今、職人不足が目立っているが、ファインスチールを使用することで、安心安全かつ迅速に施工が可能となる。また、工期の短縮につながり、工賃が安くなる」

 「表面処理鋼板メーカー各社の新商品は、15~20年の保証などがあり、耐久性にも非常に優れている。また、耐食性があり、劣化が少なくメンテナンスが容易だ。各種建材や遮熱塗料と組み合わせることで防音・遮音・遮熱・防汚を図り、雨音低減など快適な住まいを実現できる」

 「ここ数年、コーティング技術の向上によって、カラフルな色彩、さまざまな屋根・壁のデザインが可能となり、製品群も増えてきている。多種多様なニーズに対応しやすいなどファインスチールは魅力的な商品だ。そのほか、ファインスチールはスクラップとして回収可能で再利用でき、環境にも優しい。これらの特性を生かして他素材からファインスチールへの切り替えを促していきたい」

――ファインスチールの普及率は。

 「詳細な普及率は当協議会でも把握できていないが、北海道や東北地方といった積雪地帯ではファインスチールの普及率は非常に高い。一方で、関東以西は実感として普及率は5割程度で、少ない地域だと2割程度だろう。住宅は一般消費者の好みによってファインスチール以外の瓦や窯業などを使用する場合もあり、普及率が急増することは難しいが、地道な活動で普及率の増加を目指す」

――非住宅向けではファインスチールの普及率が非常に高いと聞く。

 「工場や物件などの設備投資関連は厚番手が主流となっており、今後もファインスチールが使われるだろう。非住宅と比較すると住宅向けはまだまだファインスチールの普及率が高いとは言えない。逆に言えば、シェアを伸ばす余地があるということだ。一般の施主や業者および需要家が来展する展示会に積極的に出展し、ファインスチールを選択していただけるようにPRする必要がある」

 「新築住宅着工件数は減少傾向にある。また、都市部ではマンション化が進み、足元は厳しい状況だ。しかし、会員各社のたゆまぬ努力により、戸数が伸びないなか、ファインスチールの普及率は微増傾向。新築住宅への普及だけでなく、リフォーム関連でもファインスチールは普及している。今後も代替品としての強みを生かし、新築・リフォームともに普及率を向上させていく」

――協議会の加入者数は年々増加している。

 「発足当時から全国的に微増傾向。当協議会はさまざまな地域の会員がいるが、四国地方の加入者はいない。今期は四国地方で会員数を1社でも増やすことを目標としている。当協議会加入のメリットを伝えるとともに、ファインスチールの良さを全国にアピールしていく。規律ある大規模な協議会にしたい」

――組合加入によるメリットとは。

 「会員各社でガルバリウム鋼板・溶融亜鉛めっき鋼板、カラー鋼板、その他めっき建材などに分類して、需要動向や在庫といったアンケートを定期的に実施して傾向を把握し、会員各社に役立つ情報を提供している。各地の状況や情報を収集しているだけでなく、メーカーの工場見学会も積極的に行っている」

――今後の展望を。

 「当協議会については活動をさらに発展させるべく、運営主体を各ブロック会に分けて研修会や講演会、懇親会などの活動充実化および加入者数増を図りたい。普及活動については、今年も展示会への出展や会員各社の製品カタログの制作などを通じ、需要家に積極的にアピールしてファインスチールのシェアを拡大し続けていきたい。メーカーと流通で力を合わせて、災害に強いファインスチールを広めていく。今後も施主・設計事務所・工務店・板金業者にファインスチールの特徴などをきめ細かく、一歩一歩地道にPRしていく方針だ」