ヤクルト山田哲が記録した12試合連続打点の価値 阪神バースはどうだった?

ヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

山田哲はランディ・バースに次ぐ史上2位の12試合連続打点をマーク

 7月20日から続いたヤクルト、山田哲人の連続試合打点は、8月5日に途絶えた。12試合連続打点はNPBでは1986年のランディ・バースに続く史上2位だ。

 山田の連続試合打点は神宮球場での中日戦から始まった。
その経過を見ていこう。打点の内訳もつける。「二」は二塁打。「飛」は犠飛。

7月20日(神宮/中日○)「3番・二塁」 3打2安2打点/本(1)本(1)
7月21日(神宮/中日○)「3番・二塁」 3打1安1打点/本(1)
7月22日(神宮/中日○)「3番・二塁」 2打2安1打点/本(1)
7月24日(倉敷/巨人○)「3番・二塁」 4打2安3打点/本(2)安(1)
7月25日(京セラ/巨人○)「3番・二塁」 4打1安1打点/安(1)
7月26日(京セラ/巨人○)「3番・二塁」 5打2安1打点/安(1)
7月27日(神宮/阪神○)「3番・二塁」 3打1安1打点/本(1)
7月29日(神宮/阪神●)「3番・二塁」 5打2安2打点/安(2)
7月31日(神宮/広島●)「3番・二塁」 4打2安1打点/安(1)
8月1日(神宮/広島●)「3番・二塁」 5打2安1打点/二(1)
8月2日(神宮/広島○)「3番・二塁」 4打3安3打点/本(2)飛(1)
8月4日(京セラ/阪神●)「3番・二塁」 3打1安1打点/本(1)

 4試合連続本塁打で勢いよく4試合連続打点。以後もタイムリーが続いた。期間中の通算成績は45打数21安打8本塁打18打点、打率.467だった。また期間中のチーム成績も8勝4敗。山田哲人の打棒爆発がチームをも押し上げた感がある。

3冠王を獲得したバースは7試合連続本塁打で幕を開けた

 しかし、山田哲人が1試合及ばなかった1986年の阪神、ランディ・バースの記録はそれをはるかに上回っている。

6月18日(甲子園/ヤクルト●)「3番・一塁」 4打1安1打点/本(1)
6月19日(甲子園/ヤクルト○)「3番・一塁」 5打3安2打点/本(2)
6月20日(甲子園/中日○)「3番・一塁」 4打2安2打点/本(2)
6月21日(甲子園/中日○)「4番・一塁」 3打1安1打点/本(1)
6月22日(甲子園/中日○)「4番・一塁」 3打1安3打点/本(2)飛(1)
6月24日(後楽園/巨人●)「4番・一塁」 5打2安3打点/本(3)
6月26日(後楽園/巨人○)「4番・一塁」 5打3安2打点/本(2)
6月27日(神宮/ヤクルト○)「4番・一塁」 5打3安1打点/安(1)
6月28日(神宮/ヤクルト○)「4番・一塁」 5打3安3打点/本(3)
7月1日(岡山県/大洋○)「4番・一塁」 4打3安1打点/本(1)
7月2日(岡山県/大洋○)「4番・一塁」 5打4安1打点/二(1)
7月3日(岡山県/大洋○)「4番・一塁」 4打2安2打点/安(1)安(1)
7月4日(甲子園/巨人○)「4番・一塁」 3打2安1打点/本(1)

 なんとバースはいきなり7試合連続本塁打。これは1972年の巨人、王貞治と並ぶNPB記録。これが途切れたのちもすさまじい打棒をふるう。13試合で55打数30安打10本塁打23打点、打率.545だった。チームはこの間11勝2敗。阪神は1985年に21年ぶりに優勝、バースは3冠王に輝いたが、翌86年も連続で3冠王に輝いた。当時の打者の中では頭一つ抜けた存在だった。

NPB連続試合打点記録5傑

1ランディ・バース(阪神)1986年 13試合連続
2山田哲人(ヤクルト)2018年 12試合連続
3西沢道夫(中日)1949年 11試合連続
3長池徳二(阪急)1974年 11試合連続
3レロン・リー(ロッテ)1977年 11試合連続
3鈴木健(西武)1997年 11試合連続

MLB連続試合打点記録5傑

1レイ・グリムス(カブス)1922年 17試合連続
2マイク・ピアッツア(メッツ)2000年 15試合連続
3ジョージ・バン・ハルトレン(ジャイアンツ)1895年 14試合連続
3トリス・スピーカー(アスレチックス)1928年 14試合連続
3ホルヘ・カントゥ(マーリンズ)2009?10年 14試合連続

 山田哲人には自身3度目のトリプルスリーのほかに、チームをポストシーズンに押し上げる使命も残っている。この勢いを持続してほしいものだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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