外資系航空会社で働くに必要な英語力はどのくらい?
英語は必須スキルと言われますが、外資系航空会社で働くうえで実際にはどのくらい必要なのでしょうか。
一口に外資系と言っても、
・英語が母国語の国とそうでない国
・ベースが日本か海外か
でもだいぶ異なります。
今回は、実際に中東系の航空会社で働いて感じた、必要とされる英語力の実際をお話します。
エントリーから面接まで
募集要項が全て英語の会社もあるので、それを理解する英語力が必要です。
具体的な資格としては、大体の会社でTOEIC600以上を条件にしている会社が多いです。
面接ではたくさんの事を聞かれます。
自己紹介、志望動機はもちろん、
・これまでの失敗談
・英語の勉強方法
・最近読んだ本について
・あなたの何を会社でCAとして生かせるのか
・趣味
など、たくさんの質問があります。
これらの質問に答えられるほどの英語力、特に面接においてはスピーキングスキルが必要です。
英語の筆記テストもあったので、リーディングスキルもマストです。
海外生活で必要な英語力
海外で暮らすということは、当然ですが全てが英語です。
・レストランでのオーダー
・美容室
・銀行
・病院
全てが英語。
留学経験がある方ならば、そんなに難しいことではないかもしれません。
ただ、特にトラブルがあった時などにしっかりした英語力が必要になります。
入社のための契約書の内容をすべて理解し、サインする必要があります。
病気の時に自分の症状を伝えたり、銀行口座を開設したりなどは専門用語が多く、慣れないと少し難しいかもしれませんね。
訓練で必要な英語力
もちろん全て英語です。
乗務するためには、飛行機の機材それぞれの免許が必要です。
訓練をし、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。
特に難しかったのは、ファーストエイド。
心臓発作と心筋梗塞の違いは?など、日本語でも説明することが難しい内容を英語で理解する必要があります。
また、サービスの訓練を受けて、実技試験と筆記試験に合格する必要もあります。
路線やフライト時間によって提供するサービスが異なるので、それに合わせたサービス内容を理解する必要があります。
特に、日本線のサービスは他と大きく異なるので、外国人CAに教える必要があるのでより深く理解しなければなりません。
「治部煮」の説明が難しかったり、茶わん蒸しの作り方の説明、お寿司のネタの説明が難しかったことを思い出します。
フライトに必要な英語力
もちろん、全て英語です。
ただ、日本人は日本人の多く乗る路線に乗務することが多いかもしれません。
筆者の勤めていた会社では、日本線の他に、イスタンブールやカイロ、アテネなど、日本人の多い路線に機内通訳として乗務することも。
フライトには、日本人CAがひとりだけということがほとんどなので、お客さまの感謝もご不満も全てひとりで受け止めなければなりません。
意外に英語力が必要だなと感じたのは、CA同士でのおしゃべり。
フライト中はもちろん、ステイ先で一緒に過ごすのであれば、会話は多岐に渡りますし、国籍も100ヵ国以上から集まっているので発音も様々。
最初の頃は聞き取るだけで精一杯でした。
エコノミ-クラスに必要な英語力
旅行のお客さまが多いので、旅先での見どころや美味しいお店のお話などがほとんど。
日常会話で大丈夫なので、お客さまとの会話で困ることはないと思います。
お食事のチョイスも、おなじみの「チキンorビーフ?」程度です。
プレミアムクラス(ビジネスクラスやファーストクラス)では?
担当するお客さまの人数が少なくなるため、その分、お客さまと会話する機会が増えます。
お食事のチョイスも10種類以上。
それぞれにあうワインなども積極的におすすめしていく必要があります。
旅行ではないお客さまも多いので、お仕事の話などを振られることもあり、様々な知識を求められます。
実は、同期15人(内4人は外国人)の中で、留学経験も無く海外で働いた経験も無いのは筆者だけでした。
それでも、CAになれたし、海外で生活ができました。
毎日勉強し、英語のみで生活していれば、英語力は身につきます。
分からないことは絶対にうやむやにしない、聞き返す、調べる、理解する。
そういう強い気持ちを持っていることが一番大切ではないかと思います。
今は英語力に自信がない方も、努力する姿勢を大切に、外資系航空会社で働くことを諦めないでくださいね!