漁業者の補助参加 国が意見書で異議 諫干野鳥食害訴訟

 国営諫早湾干拓事業の干拓地で営農する2法人が、野鳥による食害防止対策を怠ったとして国などに損害賠償と潮受け堤防排水門の開門を求めた訴訟の口頭弁論が7日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であった。開門請求に関し、開門を求める漁業者が補助参加していることに国は、異議を唱える意見書を出した。これに漁業者側が書面で反論し、国側は次回期日の10月16日までに書面で再反論する。
 国は意見書で、判決の結果が別の裁判で開門を求めている漁業者の訴えに影響しないと指摘。補助参加を認めれば「訴訟手続きが複雑化し、訴訟が遅延する恐れが大きい」とした。
 諫干関連訴訟で福岡高裁は、漁業者の開門確定判決を事実上無効にする判決を出した。開門派弁護団の馬奈木昭雄団長は「(高裁判決では)何一つ解決しない。農漁業がよくなるよう、この裁判を起点に頑張りたい」と述べた。
 訴状によると、2法人は干拓事業で淡水の調整池を造成したことが野鳥飛来の原因だと主張している。

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