〈時代の正体〉「女性差別許さない」 横浜駅で抗議デモ

【時代の正体取材班=田崎 基】東京医科大が女子の合格者数を抑える得点操作を行っていた不正入試問題を受け、「#怒りの女デモ」と銘打った抗議活動が8日、JR横浜駅西口(横浜市西区)で行われた。荒天の中、ツイッターの呼びかけで集まった約50人が「全ての差別を許さない」と声を上げた。

 デモでは不正入試問題に加え、自民党議員による「子どもを生まない者は生産性がない」(杉田水脈氏)、「子どもを産まない方が幸せと勝手なことを考えている人がいる」(二階俊博幹事長)という趣旨の発言についても抗議し、「全ての女性に向けられた差別」と主張。看護師の女性(42)=川崎市川崎区=は「性別によって差別するのは憲法違反。平等に教育を受ける権利があり、職業選択の自由もある。差別されない社会にしたい」とスピーチした。

 デモを呼びかけた有志の声明では「女性の出産後の離職を減らす責任は女性ではなく国にある」と指摘。保育所の増設などのほか、女性差別を許さない環境づくりを求めた。東京医科大の得点操作について、国に対し再発防止策や全国調査の実施を求めた。

 デモでマイクを握った助産師の女性(43)=座間市=は「21世紀の日本で、女子の得点を減点していたと聞いて本当に驚いた。男性がなめられていることでもあり、男性も怒っていい。働き続ける男性の過労死をなくすには、女性が出産後も働き続けられる環境を整えることが欠かせない」と訴えた。

 デモを眺めていた女子高校生(16)=横浜市神奈川区=は「得点を操作する理由が全く理解できない」と憤っていた

「女性差別は許さない」と声を上げたデモ=8日午後6時半ごろ、JR横浜駅西口

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