共生社会の担い手へ 明治学院大が独自プロジェクト

 外国につながりを持つ多くの市民が国内で生活する中、多様な価値観を持つ学生を育成しようと、明治学院大が「内なる国際化」と題した独自のプロジェクトを進めている。難民問題や「やさしい日本語」といった専門性の高い授業を履修した学生を、共生社会の担い手となる「多文化共生ファシリテーター」「同サポーター」に認証し、日本社会のグローバル化に貢献しようという取り組みだ。

 プロジェクトは同大社会学部と教養教育センターの連携で2015年度にスタート。日本国内の国際化や移民・難民問題、共生社会などについて学べる授業を横浜・白金の両キャンパスで提供し、この春、所定の単位を取得した学生5人を「ファシリテーター」と「サポーター」に認定した。

 認証を受けたのは社会学科と社会福祉学科に所属する3、4年生で、4人がファシリテーターに、1人がサポーターとなった。いずれも授業を通じ移民や人権問題への見識を深めたほか、ファシリテーターは難民など外国にルーツがある子どもたちの学習支援ボランティアを経験した。

 「他者への貢献」を教育理念に掲げる同大は、多言語・多文化化する日本社会で「内なる国際化」に対応した人材の育成を一つの責務と考える。5人には「学んだことを生かし、行政、教育、福祉など幅広い現場で活躍してほしい」と期待している。

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