「プーさんとそっくりの習主席」騒ぎ、台湾のクマも嘆く 外交部からかうツイート

By 太田清

中国の習近平国家主席

 英国の児童文学作家A・A・ミルンの児童小説「くまのプーさん」を基にしたディズニーの実写版映画「プーと大人になった僕」(原題クリストファー・ロビン)の中国での上映が禁止されると報じられたことについて、台湾外交部(外務省)は7日、上映禁止をからかうツイートを公式ツイッターに投稿した。中国ではSNSやブログで、プーさんと習近平国家主席が似ているとしてからかう風潮に対し当局が検閲に乗り出しており、上映禁止の背景にこうした動きがある可能性を指摘されていた。米CNNテレビなどが伝えた。 

 ツイートは、台湾観光局のクマのキャラクター「オーベア」のイメージをアップした上で、「台湾のオーベアは、いとこのプーさんの最新の映画上映が中国の検閲当局に禁止されたことに落胆しています。誤解しないでください。台湾ではすべてのクマは平等です。クリストファー・ロビンは台湾全土で上映されます」とからかっている。 

 CNNは台湾政府の狙いについて「中国と比べた台湾の表現の自由さを強調する意図がある」と論評している。 

 「プーと大人になった僕」は9月14日に日本公開予定。大人になったクリストファー・ロビンが親友のプーさんと再会し新たな冒険をする物語で、映画ではプーさんが重要なキャラクターとして登場するが、中国では丸っこくてふっくらしたプーさんの外見が、習主席に似ているとからかう投稿が相次いでおり、中国当局は「習主席の尊厳を損なう深刻な試み」として厳しい取り締まりに乗り出していた。 (共同通信=太田清)

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