世界遺産登録祝い絵画展 佐世保・黒島天主堂で開幕

 世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を描いた絵画展が8日、佐世保市の構成資産「黒島の集落」に含まれる黒島天主堂で始まった。県内の画家でつくる「十三乃筆の会」(大村哲史会長、13人)の作品22点を19日まで展示する。入場無料。
 同会は、世界遺産登録に向けた機運を高めるため、同市で活躍する画家らが中心となって2016年に結成した。会員が各資産を見て回り、油絵や水彩画などで表現。6月14日から同市の島瀬美術センターで約50点を展示した。
 今回は登録決定を祝福し、地域の貴重な遺産を広く知ってもらおうと、市や同会などが企画。黒島を描いた力作を中心に飾っている。
 開会式には住民ら約60人が参加。西本眞也教育長は「世界遺産は人類共通の宝。(黒島天主堂を)みなさんと一緒に保存、活用したい」、大村会長は「(信仰を守った)黒島のみなさんへの恩返しをするつもりで開催した」とあいさつ。同市を中心に活動する「レグルス・カルテット」の弦楽四重奏や、テープカットで祝った。地元のカトリック信徒、岡スミ子さん(76)は「教会の静かな雰囲気で絵を楽しめる」と笑顔で話した。

黒島天主堂の祭壇前でテープカットをして絵画展の開幕を祝う地元関係者ら=佐世保市

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