福住、野左根がドライバー、ライダー目線で語るもてぎ2&4。福住「SF参戦がきっかけでJSBを見るようになった」

 8月18~19日に行われる『ツインリンクもてぎ2&4レース』の魅力をPRするべく、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する福住仁嶺と、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦する野左根航汰がメディアキャラバンを実施。これまでのシーズンをふり返るとともに、2&4レースならではの魅力、各レースへの意気込みを明かした。

 ツインリンクもてぎ2&4レースは、スーパーフォーミュラ第5戦と全日本ロード第6戦JSB1000クラスという国内最高峰の四輪と二輪のレースが併催されるもの。それぞれ見どころの異なるレースが一度に楽しめ、ファンにとっては一粒で二度おいしいイベントだ。

 福住は2018年シーズン、FIA F2(旧GP2)とダブルエントリーする形でスーパーフォーミュラに参戦中。しかしF2とスーパーフォーミュラは日程が重なっている大会が多く、福住がスーパーフォーミュラに参戦するのは鈴鹿サーキットで行われた開幕戦以来4カ月ぶりとなる。

 8月頭に帰国したという福住は「もう時差ボケは大丈夫です。ひさびさに長く日本に滞在して、日本食を楽しんでいます」とのことで、コンディションは万全だ。

「スーパーフォーミュラは開幕戦鈴鹿ぶりです。クルマの乗り換えはテストのときに経験ずみですが、F2とスーパーフォーミュラのマシンには大きな違いがあるので最初は違和感があると思います。タイヤ(のグリップレベル)も全然違いますしね」

「まずはそこを意識して、フリー走行の短い時間のなかでクルマに慣れて、予選でいい結果を残したいと思います」

 福住は今季、F2で苦しい戦いを強いられてきた。第8戦ハンガリーのレース2で今季ベストリザルトの6位入賞を果たし、調子を取り戻しつつあるが、ここまではトラブルなどにも苦しめられてきた。

 これはスーパーフォーミュラも同様で、開幕戦の予選では2番手を獲得したものの、決勝レースでは31周目にピットインを行ったのち、そのアウトラップで電気系トラブルが発生。リタイアを余儀なくされた。

スーパーフォーミュラにはTEAM MUGENから参戦する福住仁嶺

「日頃の行いが悪いのかなと思ったりもした」という福住。これまで厄払いなどをした経験はなかったそうだが、「さすがに今年はお墓参りとか小さなことをやっていこうかなという気持ちにはなりました。実際に(お墓参り)しましたし」と言う。

 片や、全日本ロードJSB1000にヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームからフル参戦中の野左根。今季は7レース中4度の表彰台を獲得してランキング8番手につけているが、優勝には手が届いていない。全日本ロードJSB1000のレースは第4戦スポーツランドSUGO以来2カ月ぶりだ。

 それについては「2カ月ぶりのレースですが、自分としてはそこまで変わりません」と野左根。今季、開幕前の事前テストから転倒が多くいい流れに持ち込めないままシーズンインとなったが、現在の調子は上向きだ。第4戦SUGOでは2レースともに3位表彰台を獲得した。

「調子は悪くないです。SUGO以来テストをしていないからなんとも言えないけれど、もてぎ自体も得意ですし。去年、もてぎで2勝しています。今年の開幕戦もてぎでも優勝をねらっていましたが、奮いませんでした。(レース2では)2位だったけれど、トップから離されてしまったし。だから、今回はなにがなんでも優勝したいです」

 そんな福住と野左根に、もてぎ2&4の魅力を聞いた。

■ドライバーから見た二輪レース、ライダーから見た四輪レース

「お客さんは四輪か二輪のどちらかのレースを見に来ていると思うけれど、(併催されているから)興味がない方を見れば興味を持てる可能性があると思います。そういう意味で、2&4は見どころが多いと思いますね」と福住。

 福住は普段、二輪レースも観戦するという。「MotoGPからMoto2、Moto3も見ます。今年スーパーフォーミュラに乗るようになって予選をどうアタックしているのか気になって、それがきっかけでJSBを見るようになりました」

 隣に座るJSBライダー、野左根と目線を交わしつつ、福住が「(今大会も)意識して見ようかなと思います」と語ると、野左根も照れ笑い。

 四輪ドライバーである福住から見た二輪レースのおもしろさについて尋ねると、「どのコースでもどのコーナーでも、抜くチャンスが四輪に比べてあるところ」という答えが返ってきた。

「いろいろなドラマが最後の最後までありますし、トップグループが最後まで出来上がってますよね。トップ集団が5台くらいになって、誰が勝つのかわからない、という面白さがある。(二輪レースは)そういうところがおもしろいと思います」

 一方、野左根も「四輪レースを見ていると二輪レースにはない、ピット戦略がありますよね」とライダー目線での四輪レースの魅力を語った。

全日本ロードJSB1000にヤマハファクトリーから参戦中の野左根航汰

「僕たちは基本的に出ていったらライダー個々の戦いなんです。もちろんドライバーもコースに出てしまえばひとりだと思いますが、(四輪レースでは)ピット戦略がドライバー、チームによって違う。ドライバーの速さももちろんですが、それが勝敗を分けたりするのが二輪レースにはない要素だと思うんです。そこがおもしろいですよね」

 国内トップフォーミュラと国内トップの二輪レースが同時に観戦できるもてぎ2&4は、8月18~19日にツインリンクもてぎで開催される。四輪、二輪のレースが一度に楽しめるこのレース、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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